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【失敗共有】ChatGPT×Canvaなら、指定管理者の事業計画書を「ポン出し」できるのか?

【失敗共有】ChatGPT×Canvaなら、指定管理者の事業計画書を「ポン出し」できるのか?

ChatGPTとCanvaを連携させ、指定管理者・PFIの事業計画書を文章からA4縦デザインまで一気通貫でポン出しできるか実験。山梨市社会体育施設を題材に、収支予算書・事業計画書の文章作成に続く第3弾。結果は「惜しい、でもまだ早かった」。AIがプレゼン資料と取り違えた事件、章ごとのズレ、資料にない現場を書けない壁の3つと、事業計画書をAIが作れる単位に分解するという最大の学びを、失敗ログとともに正直に公開します。

公開日2026/10/01

目次

この記事でわかること
ここまでの歩み。運営理念・方針までは、もうできていた
結論:惜しい。でも「ポン出し」はまだ早かった
壁その1:AIは「指定管理者の事業計画書の型」までは自動で理解してくれなかった
壁その2:章ごとに生成すると、局所最適になる
壁その3:AIは「資料にない現場」を書けない
それでも、AIがすでに得意になっていること
今回、いちばん大きかった学び
なぜ「ポン出し」を追い続けるのか
みなさんへ。今日からできる3つのこと
まとめ
指定管理者制度AI Proプランのご案内

こんにちは、指定管理者制度AI編集長のヤマザキです。

指定管理者・PFI事業者のみなさん、こんな夜はありませんか。

事業計画書の文章は、もうできている。 運営方針も、施設ごとの課題も、年度別の施策も、固まっている。

なのに、画面の前で、深夜1時。 見出しのフォントを直し、表の列幅を揃え、余白を詰め、また広げる。

「文章はできてるのに、なんでこんなに時間がかかるんだ」

私も、まったく同じ夜を何度も過ごしてきました。 提案に耐えるデザインを保とうとすると、この作業はどうしても手作業になる。 わかっている。 でも、めんどくさい。

そこで、ふと思ったんです。

「文章もデザインも、まとめてAIに丸投げしたら、完成した事業計画書をポン出しできるんじゃない?」

今回は、その実験の記録です。

結論から言います。

惜しい。でも、まだ早かった。

ただし、この失敗の中に、AIで提案書を作るすべての人に効く発見がありました。 今日はそれを持ち帰ってください。

この記事でわかること

  • ChatGPT×Canva連携で、指定管理者の事業計画書をどこまで自動生成できたか(2026年9月時点の実測)
  • なぜ「ポン出し」はまだ早いのか、具体的な3つの壁
  • AIが最初にやらかした「致命的な取り違え」と、その本当の原因
  • 事業計画書の具体性には2種類ある。AIが拾えるものと、拾えないもの
  • 今回いちばん大きかった学び。「事業計画書を作って」は、AIには仕事が大きすぎる
  • 現時点でいちばん確実な、AIと人間の分担

ここまでの歩み。運営理念・方針までは、もうできていた

最近、私は山梨市の社会体育施設を題材に、ChatGPTを使って指定管理者の収支予算書と事業計画書における運営理念・方針を実際に作りました。

指定管理の「運営理念・経営方針」が書けない人へ。AIで"一本の旗"を立てるマスタープロンプトを無料配布します AIと本気で山梨市社会体育施設の指定管理収支を積算してみてわかったこと| 実践編

収支については、過去の実績や仕様書を読み込ませ、費目を一つずつ積み上げるところから実践。 事業計画書についても、公募資料を読み込ませ、施設の課題を整理し、運営方針を決め、それらに関する文章そのものをChatGPTと一緒に作成しました。

使ったのはChatGPTのプロジェクト機能です。 募集要項、仕様書、様式、過去実績をすべて読み込ませてある。 一緒に収支を考え、運営方針を作り、「何が大事で、何を切るか」まで決めてある。

少なくとも、公募資料とこれまでの検討経緯は、かなり共有された状態でした。

ここまでは、すでにできた。

ふだんの私のやり方は、こうです。

文章は、ChatGPTと一緒に作る。 できた文章を、私の感覚でCanvaに落とし込む。 見出しの強弱、表の置き方、余白の取り方。 このCanvaへの落とし込みだけは、ずっと手作業でした。

実際にそれで作った例はこちらです。 【実物公開】AIで作った指定管理者事業計画書|まちなかリビング北千里(吹田市)編 AI+Canvaで福祉施設の事業計画書を作ってみた【ケアハウス市立船橋長寿園】

今回試したのは、この分業をやめること。

文章生成も、Canvaへの落とし込みも、全部AIに任せる。 最近はChatGPTからCanvaを直接操作できる連携がある。 これを使えば、文章からデザインまで一気通貫でポン出しできるのではないか。

定点観測を兼ねて、やってみました。

デザインの手本は、私が今までCanvaで作ってきた実際の提案書です。 仮想企業「株式会社ヤマザキ」として、山梨市に提案する設定です。

【関連リンク】 その事業計画書、「ダサい」まま出してませんか?|指定管理者・PFI事業者のCanva術

結論:惜しい。でも「ポン出し」はまだ早かった

先に結果をまとめます。

  • デザイン:無理はない。A4縦の誌面として、見られるものにはなった
  • 文章:量・質ともにまだまだ。スペースがぼこぼこ空く。具体性が足りない。地域感がない
  • 構造:方針からのつながりは強い。ここは明確に良かった

一発で完成品が出る、という夢は、今回は叶いませんでした。

では、なぜ早かったのか。 壁は3つありました。

壁その1:AIは「指定管理者の事業計画書の型」までは自動で理解してくれなかった

これが今回一番の事件です。

「完全に君に任せる。君の指示通りに動くから、やってみて」

そう伝えて、ChatGPTにCanva連携で事業計画書を作らせました。

数分後、返ってきたのは。

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表紙には「MOVE. 動けば、まちが動く。」のキャッチコピー。 これは以前、ChatGPTと一緒に議論して決めたコンセプトです。 コピー自体は、ちゃんと引き継がれていた。 そこは偉い。

でも、レイアウトがA4横。 写真とキャッチが大きく載った、講演用のスライドそのものでした。 明らかに、事業計画書仕様のデザインではない。

私は思わず、こう打ち込みました。

「あのさあ、君は一体なにを学習してきたの?」

と、ちょっとパワハラ気味な絡み方。。。

指定管理者の事業計画書は、A4縦。 公募様式の設問順に、本文・根拠・具体策・図表を積み上げていく、地味で分厚い書類です。 私が実際に提出してきた100ページの提案書と、過去にCanvaで作った47ページの事業計画書を見せて、ようやくAIは自分の取り違えに気づきました。

「私の横長3ページは、指定管理者のA4縦の事業計画書をプレゼン資料と取り違えたものでした。すみません」

ここで正直に書いておきます。 ChatGPTは、事業計画書の中身はかなり理解していました。 山梨市の様式も、年度別に6項目で書くことも、わかっていた。

理解していなかったのは、書類の型です。 中身の議論をどれだけ積み上げても、「A4縦」「様式の設問順」「審査基準との対応」という指定管理者の常識は、こちらが制約として渡さない限り、AIには伝わらない。

つまりこれは、AIの性能の問題というより、こちらの入力設計の問題でした。

壁その2:章ごとに生成すると、局所最適になる

横長事件のあと、仕切り直しました。

私はChatGPTに聞きました。

「まずは全文、文章自体をつくるところから始めたほうがいいのかな」

返ってきた答えは、こうです。

「うん、まずは全文の中身を作るのが正しい順番だと思う。さっきは私がCanvaの見た目から入ってしまった。事業計画書では、先に『各設問に何を提案するか』を固めないと、誌面を作っても中身が薄くなる。ごめん」

丸投げされたAIは、見た目から作り始める。 人間が「文章が先」と言わないと、Canvaというツールを手にした瞬間、デザインに走る。

順番を直して、章ごとに進めました。

  • 第1章「団体の経営方針等」:A4縦3ページ
  • 第2章「施設の運営について」:令和9〜12年度、各年度6項目、計24項目。A4縦9ページ
  • 第3章「運営体制・危機管理・個人情報保護」:A4縦9ページ

ここまでは、たしかに出た。 様式の設問順に沿って本文が誌面に流し込まれ、取り込み後の文字も原稿と照合された。 誤字や原稿にない文章が混ざった版は、AI自身が不採用にしていました。

ここで二つ目の壁が出ます。

章ごとの出力になるので、章と章のあいだにズレが出る。

トーンが微妙に変わる。 同じ施設の呼び方が揺れる。 第2章で書いた施策の粒度と、第3章の体制の粒度が合わない。

ふだん私が手作業でCanvaに落とし込んでいるときは、全体を一枚の誌面として眺めながら調整しています。 章ごとに生成すると、それぞれの章は良くても、全体としては局所最適になる。

これも、AIの能力不足というより生成単位の設計の問題です。 最後に「第1章から第3章を横断して、用語・KPI・人員配置・施策・収支の矛盾を確認せよ」という工程を、こちらが入れておけばよかった反省です。

壁その3:AIは「資料にない現場」を書けない

出来上がった誌面を眺めると。

スペースが、ぼこぼこ空いている。

文章の量が足りない。 「利用者ニーズに応じた事業を展開します」のような、どこの施設にも書ける言葉が混ざる。 山梨市の、あの体育館の、あの地域の顔が見えない。

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最初は「AIは具体性がないな」と思いました。 でも、原稿をよく読むと、そう単純ではなかった。

AIは、資料にある数字はきちんと拾っていました。 令和6年度から令和7年度の利用実績として、温水プールは39,427人から39,877人、牧丘は38,446人から42,380人と、原稿に入れている。 牧丘B&Gについては、仕様書からプール、体育館、格技場、トレーニングルーム、入浴施設という施設構成まで拾っている。

一方で、実在の職員名や資格、人件費については、こう明記していました。

「実在の職員名・資格・人件費は作らず、提出時に勤務表、資格証、収支予算と照合する事項として明記しました」

ここで気づきました。

事業計画書の具体性には、2種類ある。

資料から取れる具体性。 利用者数、開館時間、設備構成、過去の管理費、条例・規則、必要資格、施設別の設置目的。 これはAIがかなり拾えます。

現場にしかない具体性。 受付で頻発している問い合わせ。 地元団体との実際の関係。 利用者が不便に感じている導線。 職員しか知らない運営上の癖。 地域イベントとのつながり。 これはPDFには載っていません。

AIに具体性がないのではない。 具体性の材料が資料と対話の中になければ、AIにも具体化できない。

そして、資料にない固有情報を、AIは勝手には作らなかった。 これは誠実な態度です。 でたらめな数字を作られるより、はるかにいい。

でも裏を返すと、現場にしかない具体性は、現場を知っている人間が、対話の中で渡すしかない。

それでも、AIがすでに得意になっていること

失敗ばかり書きましたが、光っている部分も正直に書きます。

方針から施策へのつながりが強い。

第1章で決めた経営方針が、第2章の年度別施策、第3章の運営体制まで、一本の線でつながっていました。 これは人間が徹夜で書くと、意外と崩れる部分です。 第1章の方針と第2章の施策が微妙に矛盾している提案書、審査で何度も見ました。

公募資料と検討経緯を共有した状態のAIは、構造の一貫性については、すでに人間を助けられるレベルにあります。

今回、いちばん大きかった学び

3つの壁を並べてみて、共通点に気づきました。

「事業計画書を作って」は、AIにとって仕事が大きすぎる。

事業計画書は、一つの文章ではありません。

公募条件を読む。 設問を分解する。 施設の事実を集める。 課題を定義する。 経営方針を決める。 年度別施策を書く。 KPIを置く。 人員計画と突き合わせる。 収支と突き合わせる。 全章の整合性を確認する。 最後に誌面化する。

この工程を分解して初めて、AIは強くなる。

今回失敗したのは、AIの性能だけが原因ではありません。 最後の「文章から誌面まで」を一気にやらせようとした、こちらの仕事の渡し方にも原因がありました。

型を渡していなかった。 現場の材料を渡していなかった。 横断チェックの工程を入れていなかった。 そして、誌面化まで一息に頼んだ。

「AIで事業計画書を作る」のではなく、「事業計画書を、AIが作れる単位に分解する」。 これが、今回持ち帰った最大の学びです。

なぜ「ポン出し」を追い続けるのか

「まだ早いなら、追わなくていいのでは」と思う方もいるかもしれません。

でも、私はこれを追い続けます。 事業計画書がポン出しできる世界には、指定管理者・PFIの現場を変える力があるからです。

  • 運営に集中できる。運営がしっかりしていれば、それをそのまま計画書に載せて評価される
  • 提案の間口が広がる。労力をかけずに計画書を書けるなら、いろんな施設へ提案して可能性を広げられる
  • 「提案書がうまい」ではなく「運営が強い」事業者が受託する世界へ

いまの指定管理は、正直に言えば「書類を作るのがうまい会社」が有利な面があります。 それは本来、おかしい。 住民にとって大事なのは、提案書の美しさではなく、明日の公共施設の運営です。

AIが書類づくりの労力を下げれば、その分の時間と情熱を、現場に戻せる。 それが行政サービスの向上につながる。

それが、私たち指定管理者制度AIの願いです。

みなさんへ。今日からできる3つのこと

ポン出しはまだ先です。 でも、いまのAIでできることと、まだできないことは、今回の実験ではっきりしました。

  1. 事業計画書を書かせるなら、A4縦のデザインと様式の設問順を最初にきっちり理解させてから、文章を出力させる。ここを飛ばすと、今回のようにプレゼン資料が返ってきます
  2. Canva連携はまだ、指定管理の事業計画書固有の癖を理解して自動出力するところまでは届いていない。近い将来できるようになるとは思います。でもいまは、いったん文章を作り、その文章を手動でCanvaに置き換えていく分業のほうが相性がいい
  3. 具体性を引き出すには、AIとの細かい対話が必要。一発では出ません。資料にない現場の情報は、あなたが対話で渡す。個別具体性の高い事業計画書のポン出しは、やはりまだ難しい

1の「最初に理解させる」ためのプロンプトを置いておきます。 そのままコピペして、[ ]の中だけ書き換えてください。

あなたは指定管理者の事業計画書づくりを支援するアシスタントです。
これから作るのは、講演用のプレゼン資料ではなく、自治体に提出する事業計画書です。
以下を理解した上で、文章を出力してください。

【書類の型】
- サイズはA4縦、横書き
- 構成は[自治体名]の公募様式の設問順に従う
- 各設問に「本文・根拠・具体策・図表案」を置く

【今回の作業範囲】
- デザインは作らない。文章のみを出力する
- 文章は設問ごとに出力し、私がCanvaに置き換える

【禁止事項】
- 実在しない職員名・資格・人件費・利用者数を作らない。未確認は未確認と書く
- どの施設にも当てはまる一般論で埋めない。[施設名]と[地域名]の固有の事情を必ず入れる。資料にない現場情報が必要な箇所は、私に質問する

まず、様式の全設問一覧とページ配分から出してください。

全章が出たら、最後にこれを一回かけてください。 壁その2のズレは、この工程でかなり減ります。

第1章から最終章までを横断して、次の矛盾を洗い出してください。
- 施設名・用語の表記ゆれ
- 経営方針と年度別施策のつながりの切れ目
- KPIと人員配置、施策と収支予算の食い違い
- 章ごとの記述の粒度の差
見つかった箇所は、章・設問名・修正案をセットで一覧にしてください。

特別なAIスキルはいりません。 高単価のコンサルもいりません。 なぜなら、現場を知っているのは、あなた自身だからです。 必要なのは、指定管理の現場を知る人が、AIに正しい型と材料を渡すこと。 それだけです。

AIは、間違えます。 今回みたいに、横長スライドを自信満々に出してきます。 でも、間違いを指摘すると、ちゃんと直します。 AIにパワハラという概念はありません。 AI相手なら遠慮はいりません。 「違う」と思ったら、何がどう違うのかを具体的に返してください。 今回の私は「君なにを勉強してきたの?」でした。

そして、この実験は続けます。 次にAIがアップデートしたら、また同じ山梨市の案件で、同じ実験をします。 「ポン出しできた日」の記事を、いつか書きたい。 その日まで、失敗の記録を一緒に積み上げていきましょう。

まとめ

  • 文章からCanvaまで一気通貫でAIに任せる実験は「まだ早かった」。文章はAIと、誌面は人間が、の分業が現時点の正解
  • 失敗の原因はAIの性能だけではない。型を渡さず、現場の材料を渡さず、横断チェックを入れず、大きすぎる仕事を一息に頼んだ、こちらの渡し方にもあった
  • AIは資料にある具体性と構造の一貫性を担える。現場にしかない具体性は、現場を知る人が対話で渡す

デザインより先に、中身を。 提案書より先に、運営を。

AIに型と材料を渡せば、提案書づくりのかなりの部分は、もう任せられる。 でも、現場そのものをAIが知っているわけではない。

だからこそ、現場を知る人×AIが、いまは一番強い。

「ポン出し」には、まだ届かなかった。 でも今回、そこまでの道筋はかなり見えました。


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ヤマザキ君
指定管理者制度AI 編集長:ヤマザキ
提案書作成のコツから採択事例の分析、効率的な資料作成方法まで、実践的な情報を発信中。
指定管理者制度に携わる皆様の業務効率化と採択率向上をサポートする記事をお届けしています。

ヤマザキは2004年から大学で指定管理者制度を研究し、
2010年からの10年間は、指定管理/PFI/PPPのコンペや運営現場の最前線に立ち続けてきました。
その後はスタートアップとの協業や出資、ハッカソンも数多く主催。「現場」と「未来」双方の知見を活かした情報発信を行っています。

その経験をもとにした本サービス「指定管理者制度AI」では、実際にAIを活用した提案書・企画書作成サービスを展開。 豊富な採択事例データベースと高度な自然言語処理技術により、要点整理から文書構成の最適化まで包括的にサポートします。
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