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AIと本気で山梨市社会体育施設の指定管理収支を積算してみてわかったこと| 実践編

AIと本気で山梨市社会体育施設の指定管理収支を積算してみてわかったこと| 実践編

山梨市社会体育施設の指定管理者公募を題材に、AIと収支積算を実践。人件費・光熱費・自主事業・過去5年実績を比較しながら、AIの強みと危うさ、参入判断までのプロセスを全公開。完成Excelと汎用プロンプトも紹介します。

公開日2026/08/22

目次

この記事でわかること
①今回AIに食わせた資料
②最初のExcelは、利益率20%だった
③人件費は「社員○人」ではなく、ポストから積む
④プール監視員は何人必要なのか問題
⑤今度は本体が大赤字になった
⑥そしてAIがまたやらかした。「光熱費2,000万円」
⑦「ゼロベース積算+過去5年実績比較」が基本ルールになった
⑧小さい費目を頑張って削っても、あまり意味がなかった
⑨自主事業を見たら、突然「金脈」が出てきた
⑩そして「人件費のカラクリ」が見えてきた
⑪この案件、本当に重要なのは「人件費を安くすること」ではなかった
⑫AI、めちゃくちゃ使える。でも資料を読まなくてよくなったわけではない
⑬AI時代、担当者はむしろ募集要項をもっと読む必要がある
⑭今回AIが最終的に作ったアウトプットはこちら
⑮最後に、今回の分析を再現する「指定管理収支診断プロンプト」を公開します
まとめ|AIは「積算担当者」をなくすのではなく、積算担当者を強くする

募集要項、仕様書、過去の収支実績。

全部AIに読ませて、指定管理者公募の収支積算をゼロからやらせたら、どこまでいけるのか。

今回は、実際に公募中の山梨市民総合体育館・山梨市屋内温水プール・牧丘B&G海洋センターを題材に、AIと何日も対話しながら、本気で収支予算を作ってみました。

結論から言います。

めちゃくちゃ使えます。

ちょうど一年前、同じことをしてみたのですが、そのときは正直微妙でした。

ですが、一年で大きく変わったことを実感しました。

特に調査能力が、かなり向上した印象です。

その調査能力をベースに、募集要項から条件を抜き、過去の実績を拾い、Excelを組み、人員配置まで考える。

少なくとも今回の体感では、リサーチ業務については「若手に数日お願いする」より、AIと数時間対話したほうが深いところまでいく場面が何度もありました。

でも。

途中で何度か、こうなりました。

「いや、その数字おかしくない?」

AIは、とんでもなく優秀です。

そして、とんでもなくもっともらしく間違えます。

今回は、その両方を全部公開します。


この記事でわかること

  • 指定管理者公募の収支をAIと一緒に積算するリアルな工程
  • AIが最初に作った収支の「危ない間違い」
  • 人件費を「人数」ではなく「ポスト×時間」で積む方法
  • プール監視員を何人置くべきか、AIと延々議論した結果
  • 過去5年間の実績と新規積算を比較する意味
  • 自主事業の黒塗りから何が読み取れるのか
  • 最後にたどり着いた「この案件は誰なら儲けられるのか」
  • 実際に作成したExcel
  • 今回の分析を再現するためのプロンプト全文

①今回AIに食わせた資料

今回は山梨市の社会体育施設3施設の指定管理者公募を例として活用させていただきました。

【実際の募集ページはコチラ】 社会体育施設(市民総合体育館、屋内温水プール、牧丘B&G)の指定管理者を募集します。

対象施設は、 ・山梨市民総合体育館。 ・山梨市屋内温水プール。 ・牧丘B&G海洋センター。 の3つです。

公募資料には募集要項だけでなく、それぞれの業務仕様書、条例・施行規則、図面、備品一覧、年度別管理費実績、利用状況などが含まれていました。

今回の募集では、指定管理料の基準額は年間67,963千円、4年間で271,852千円

また、自主事業にかかる費用は指定管理料の対象外とされています。

まず、これを全部AIに投入。 AIはChatGPTを使用しました。

プロジェクト機能を使って、AIを読み込んでいきます。

ChatGTPの画面左にあるプロジェクト機能の「+」をクリックします。

1

ウィンドウが出てくるので、プロジェクト名を記載します。

2

チャット画面が立ち上がるので、画面中央のタブ切り替えで「情報源」をクリックすると、データのアップロードができます。

3

注意!:2026年8月時点のOpenAI公式ヘルプでは、ChatGPT「プロジェクト」1つあたりのアップロード可能ファイル数はこうです。

プラン1プロジェクトあたり
Free5ファイル
Go25ファイル
Plus25ファイル
Pro40ファイル
Business40ファイル
Enterprise40ファイル
Edu40ファイル

【関連リンク】 【超初心者向け】ChatGPT登録法!Googleログインで5分完了ガイド

AIに情報を読み込ませた後の、最初は自身で応募要項をざっと収支に関することを読み込みながら、

・気づいてメモしたこと ・疑問

をAIに伝達していきました。

具体的には、

・営業時間や休館日 ・リスク分担のこと ・人件費や物価高騰のこと ・修繕費の取り扱いのこと ・設備機器のこと ・年度別収支実績の推移 ・自主事業に関する集客や単価のこと ・人員配置に関すること ・消費税の取り扱い

などなどです。

こういったことを

「ちゃんと理解している?」 「この論点大事だよ」

みたいに部下に伝達するみたいな感覚でAIに入力して相互確認していきます。

このあたり、AIはすでに読み込んでいるので、必要のない作業かもしれませんが、私はなんか心配なのでいつもやっております。 私自身の公募資料への理解も深まりますし、認識違い・解釈違いに気づくことも多いので、みなさんにもおすすめしたい作業です。

といった感じで、公募資料をざっと見た後は、

特になにも考えずに、

「この案件の収支を作りたい。収入と費用について、積算するために調べるべきことを全部洗い出して」

と、雑にプロンプトを放り込んでみました。

するとAIは、

利用料金 指定管理料 人員配置 最低賃金 光熱水費 修繕 設備保守 自主事業 税金 保険 駐車場

……と、かなりの論点を一気に出してきます。

この辺は、本当に速い。

人間なら半日かけてExcelの左端に費目を書き始めるところまで、数分で来ます。


②最初のExcelは、利益率20%だった

そしてAIにExcelを作らせました。

指定管理料。

利用料金。

人件費。

光熱費。

修繕費。

設備管理費。

清掃費。

自主事業。

一通り入っています。

「おお、できた!すごくいい感じ!」

4 5 6 7 8 9 10 11

と思って本体事業の収支を見ると、ここでひとつ、どう考えてもおかしいところが見つかります。

利益率20%前後。

……。

「いやいやいや。指定管理本体でそんなに儲かるわけないだろ。

ここで一度、手が止まりました。

AIは収支表を作ることはできます。

でも、

「その利益率が指定管理事業として自然なのか」

までは、こちらが問い返さないといけません。

特に本案件では、過年度管理費実績では人件費と自主事業部分が非公開になっています。

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つまりAIは、「見えている費用」だけからなんとなく収支を組み立てていました。

結果、人件費が明らかに薄かった。

完全なミスです。

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でも考えてみれば、たしかにそうで、情報としては渡してはいるけど、それをどう使って、積算をするかのやり方は教えていませんでした。

それもしっかりと教えてあげなければなりません。

生身の人間の部下と同じです。

ここから、この実験が面白くなります。


③人件費は「社員○人」ではなく、ポストから積む

そこで積算方法を変えました。

「人件費4,000万円」

と置くのをやめるよう指示します。

まず、

その施設を運営するために、何時から何時まで、何人が必要なのか

を考える。

基本式は、

ポスト数 × 配置時間 × 開館日数 × 会社負担時間単価

です。

さらに、

通常期 繁忙期 休憩交替 欠員代替

を足します。

たとえば体育館なら、

受付・予約対応 館内巡回

温水プールなら、

受付 プール監視

牧丘B&Gなら、

受付・体育館・浴室対応 プール監視

と分けて積むように指示をします。

ここで大事だったのが、

「必要ポスト数」と「雇用人数」は違う

ということ。

意外にこの概念をAIがわかっていたので、きちんと説明しました。

1人の社員が8時間勤務の中で、

朝は受付 昼は監視 午後は事務 夕方は水泳指導

と役割を変えることは当然あります。

だから、

ポストを積む作業

と、

そのポストを実際の社員・アルバイトでどう埋めるか

は別々に考えなければいけません。


④プール監視員は何人必要なのか問題

この案件で最も議論したのがここでした。

山梨市屋内温水プールは、25m×13m・6コースのメインプールだけではありません。

15.8m×5mのサブプールとジャグジーもあります。

仕様書には、

常にプール全体を監視すること。

混雑時には適正な監視員を配置すること。

適正な監視従事時間で交替し、後任との引継ぎを行うこと。

とあります。

ただし、

「常時2名」

とは書いてありません。

つまり人数は事業者裁量。

でも事故が起きれば、事業者側の安全管理責任が問われる。

ここでAIは最初、

「通常1.5ポストくらいでは?」

と積みました。

私が聞き返しました。

「それ、本当に安全?」

調べ直して、施設形状と仕様を照合して、最終的には、

温水プール:通常監視2名+繁忙時3名

という安全側のモデルに修正しました。

牧丘B&Gもプールがあります。

こちらは常時2名にするとかなり費用が重くなるため、

基本1名+利用集中時間帯2名+繁忙時3名

と仮置き。

ただしこれは、現場の時間帯別利用者数を確認しないと最終判断できません。

仕様書上もB&Gの監視員は、混雑時の適正配置と交替を求められています。

ここで分かったのは、

AIに人員配置を聞くとき、「何人置けばいい?」だけではダメだということ。

施設形状。

時間帯。

利用者数。

事故発生時の応援。

休憩。

兼務可能性。

全部セットで考えさせる必要があります。


⑤今度は本体が大赤字になった

安全側に人員を積み直しました。

すると本体人件費は、約4,941万円

今度は本体収支が大きく赤字になりました。

でも、ここでやってはいけないことがあります。

指定管理料に収まるように、人件費を逆算して削ることです。

今回は実験です。

むしろ、

「普通に積んだらなぜ合わないのか?」

を調べたかった。

そこで次に、過去実績と比較しました。


⑥そしてAIがまたやらかした。「光熱費2,000万円」

途中のモデルでは、光熱水費・燃料費を年間2,000万円で置いていました。

R7実績と比較すると、

3施設合計の燃料費・光熱水費は2,744万円

私はAIに聞きました。

「700万円下げられる根拠って何?」

答えは、

ありませんでした笑

初期の仮置きが、そのまま残っていただけ。

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ここがAI利用で一番怖いところです。

2,000万円。

Excelに入っている。

数式もきれい。

セルも整っている。

だから、正しい数字に見える。

でも根拠はない。

この瞬間に、積算のルールを根本から変えました。


⑦「ゼロベース積算+過去5年実績比較」が基本ルールになった

ここからは、

①まずゼロから積む

そして、

②前の指定管理期間の実績と比較する

さらに、

③差額が大きければ、その理由を説明する

というルールに統一しました。

これが今回、一番大きな学びだったと思います。

AIにとっても、人間にとっても同じです。

積算は、

前年度と同じ数字を置く作業

でもなければ、

指定管理料に合わせて数字を調整する作業

でもありません。

数量と単価を積み上げる。

そして実績と比べる。

差があれば、

なぜ?

と考える。

その繰り返しです。

今回の最終モデルでは、R3からR7の3施設合計の燃料・光熱水費が約2,207万円から約2,744万円まで上昇している実績を確認し、R9推計では過去トレンドを機械的に延長した約3,060万円を検証値として置きました。これは予測の確定値ではなく、「2,000万円まで下がる」と置くより安全側に検証するためのモデルです。

しかも体育館では令和8年度にメインアリーナ、武道館、弓道場への冷暖房空調整備が予定されています。

つまり、

光熱費は下げるどころか、さらに上振れる可能性もある。


⑧小さい費目を頑張って削っても、あまり意味がなかった

もう一つ見えてきたこと。

修繕。

消耗品。

役務。

設備管理。

清掃。

もちろん全部大事です。

でも、案件全体から見るとそこまで巨大な金額ではありません。

数百万円の費目を10%削っても、数十万円。

そのために清掃品質を落としたり、職員に作業を内製させたりすれば、逆に現場負担が増える。

しかも、これからは人件費も物価も上がる。

そこで最終モデルでは、

人件費以外の費目を無理に削らず、基本的に直近実績を物価補正して置く

ことにしました。

削減ありきではなく、

改善インパクトが本当に大きいところに集中する。


⑨自主事業を見たら、突然「金脈」が出てきた

次に、自主事業。

まず現指定管理者さんのHPから自主事業と思しき教室系のカレンダーや募集チラシをAIにリサーチさせて、収益や人員配置を積算させます。

ここがめちゃくちゃ面白かった。

体育館では健康教室。

牧丘B&Gでも健康教室。

そして温水プールではジュニア水泳教室。

教室ごとに、

曜日 時間 年間回数 単価 定員 参加率 講師費

を入れ、

年間売上=単価×定員×参加率×回数

で計算しました。

ただし、公開実績では自主事業部分が見えない。

そこで、確認できた教室資料と料金等から推計しました。

最終的な検証モデルでは、

自主事業売上:約2,779万円

自主事業利益:約1,445万円

という推計になっています。

もちろん、ここは精度が低いです。

実際の水泳会員数。

週1・週2会員比率。

退会率。

クラス定員。

コーチ人数。

ここが分からない。

なので、この1,445万円を「儲かります!」とは言えません。

でも、

どう考えても水泳教室がこの案件の収益ドライバーである可能性が高い

というところまでは見えてきました。


⑩そして「人件費のカラクリ」が見えてきた

ここで、もう一つ疑問が出ました。

水泳インストラクターの人件費は、自主事業に別途計上しています。

でも、その人は本当に1日中水泳を教えているのでしょうか。

おそらく違います。

1日8時間勤務するとして、

水泳教室は1~3時間。

残りの時間は、

受付 監視 水質管理 清掃 事務 保護者対応

などができます。

つまり実際の運営では、

本体社員と自主事業社員が完全に分かれているわけではなく、一人の人間が勤務時間の中で複数の仕事を担っている可能性が高い。

さらに3施設あります。

総合体育館。

温水プール。

牧丘B&G。

もしかすると、山梨市内や周辺で運営している別施設から繁忙時に人を応援できる事業者もいる。

統括責任者も、施設ごとに3人ではなく、

3施設統括1人が巡回

しているかもしれない。

こう考えていくと、

「なぜ普通に積算すると赤字なのに、現行事業者は運営できるのか」

の答えが少し見えてきます。


⑪この案件、本当に重要なのは「人件費を安くすること」ではなかった

今回の最終的な仮説です。

現行事業者の競争力は、

時給を50円安くすること

ではない。

人を遊ばせないこと。

受付をする。

監視をする。

事務をする。

水泳を教える。

複数施設を応援する。

一人の8時間を、できるだけ有効に使う。

そして、

地域の中に既に人材を持っている。

近隣施設にもスタッフがいる。

水泳を教えられる社員がいる。

そうした人材ポートフォリオ、施設ポートフォリオを持っている事業者ほど強い。

これは公募資料のExcelには書いてありません。

でも収支を真面目に積んで、実績との差を見たことで出てきた仮説です。

今回の検証モデルでは、安全側に本体業務を積むと、本体事業だけでは約1,285万円の赤字

一方、自主事業推計を加えると、案件全体では約160万円の黒字余地という結果になりました。

だから今回の参入判断は、こうです。

この地域に人員基盤を持たず、受付、監視、水泳指導、管理責任者を全部新規採用する事業者には、あまりおすすめしにくい。

逆に、

地域内に既存人材がいる。

複数施設で人を融通できる。

水泳指導人材がいる。

そういう会社なら話は変わります。


⑫AI、めちゃくちゃ使える。でも資料を読まなくてよくなったわけではない

ここまでやって、AIに対する評価はかなりはっきりしました。

まず。

おすすめです。

本当におすすめ。

リサーチは速い。

Excelも作る。

仕様書をまたいで条件を探す。

「他に論点ない?」と聞けば、こちらが忘れていた駐車場代まで拾ってくる。

条件付きですが、優秀なリサーチャーやコンサルタントと壁打ちしている感覚にかなり近いです。

一方で、

募集要項を人間が読まなくていい時代になったか?

というと、私は逆だと思いました。

AIだけでも作業はできます。

資料を全部放り込めば、ものすごい量のアウトプットを作ってくれる。

でも今回も、

本体利益率20%。

監視員1.5ポスト。

根拠のない光熱費2,000万円。

など、こちらが止めなければそのまま進んでいた数字がありました。

また、

・自主事業で儲けているだろう ・地域の人材ポートフォリオ、施設ポートフォリオを持っている事業者じゃないと利益が出せないだろう ・むしろポートフォリオがあれば、休館日とかを活用してまだまだ利益を出せる可能性はある?マーケットはすでに飽和している?

という仮説を提示したのは私(人間)でして、このあたりの気づきはちゃんと業界知識を持った人間でないとまだまだ論点としてまだ上げられないかもしれません。

ここで、AIの怖さを痛感します。

それは、

雑な答えを出すことではありません。

間違っていても、Excelと文章をめちゃくちゃきれいに作ることです。

だから知識がない人ほど、

「すごい!」

と思ってしまう。

間違いに気づかずに、AIの提案をそのまま通してしまう可能性がある。

ここはかなり危険です。


⑬AI時代、担当者はむしろ募集要項をもっと読む必要がある

私は今回、逆説的ですがそう思いました。

AIが作業を代替してくれる。

その分、人間は資料を読む必要がなくなる。

ではない。

作業から解放された時間を、確認と分析に使う。

こっちです。

昔なら、

Excelに数字を入力する。

計算式を作る。

過去5年分を転記する。

という作業だけで時間がなくなっていました。

AIはそこをかなり減らしてくれる。

だから人間は、

「なぜ?」

に時間を使える。

なぜ人件費が1,500万円違うのか。

なぜ光熱費が上がっているのか。

本当に監視員2人でいいのか。

この社員は自主事業と本体を兼務できるのか。

現行事業者はどんな人材ネットワークを持っているのか。

積算担当者の仕事が、「Excelを作る人」から「数字の意味を問い続ける人」に変わる。

私は、この変化はかなり大きいと思っています。


⑭今回AIが最終的に作ったアウトプットはこちら

今回、何度も修正した最終版には、

  • 本体収支予算書
  • 人員配置・人件費積算
  • 施設別自主事業年間収支
  • 直近5年間の実績検証
  • 積算前提・リスク
  • 最終的な参入判断
  • 質問項目

などが入った、全15シートが作成されています。

▼完成版Excelのリンクは下

山梨市体育施設_収支分析_最終検証版.xlsx

※収支予算書自体は、市が用意している様式第3号の「収入・支出・積算内訳・備考」という構成をベースにしています。 ※あくまでAIが算出した項目・数字ですので、あくまで研究・参考用としての閲覧をお願いします


⑮最後に、今回の分析を再現する「指定管理収支診断プロンプト」を公開します

今回、一番価値があると思ったのは、完成した山梨市のExcelそのものではありません。

AIと何度もやり取りする中で作られていった「積算の思考順序」です。

最初はAIも間違えました。

人件費が薄かった。

プール監視配置も甘かった。

光熱費には根拠のない仮置きが残っていました。

そのたびに、

「なぜ?」

「根拠は?」

「過去実績と比べた?」

「それ、安全?」

と問い直しました。

結果として最後に残ったのは、

まずゼロから積む。

実績と比較する。

差があれば理由を考える。

前提自体に改善余地がないか疑う。

そして最後に、この案件は誰なら儲けられるのかまで考える。

という考え方でした。

そこで今回、この山梨市案件で生まれた思考プロセスを、スポーツ施設だけではなく、文化施設、公園、コミュニティ施設、観光施設、駐車場など、あらゆる指定管理案件に使える形へ一般化しました。

このページの最下部にてダウンロードできますので、募集要項・仕様書・過年度実績等の資料を読み込ませたあと、AIへ投入してみてください。


まとめ|AIは「積算担当者」をなくすのではなく、積算担当者を強くする

今回の実験を一言でまとめます。

AIだけでも、ここまで作れます。

でも、

AIだけでは、まだ危ない。

この両方が本当です。

AIは、

調べる。

拾う。

計算する。

比較する。

Excelを作る。

仮説を出す。

ここまで、とんでもなく速い。

一方で、

「この利益率、本当にあり得る?」

「その単価の根拠は?」

「安全面から見て、この人数でいい?」

「過去実績と700万円違うのはなぜ?」

と止めるのは、人間です。

これからの指定管理の積算担当者に必要なのは、

Excelを速く打つ能力ではありません。

AIが作った数字を見て、違和感を持てる能力です。

その違和感の源になるのが、

募集要項を読むこと。

仕様書を読むこと。

現場を知ること。

過去の収支を知ること。

です。

既存記事でも、人員配置はAIの叩き台に自社の「お作法」と現場情報を重ねることが重要だと整理してきました。今回の山梨市での実験は、その考え方を収支全体まで広げたものになりました。([指定管理者制度AI][2])

AI時代だから、募集要項を読まなくてよくなる。

私は逆だと思っています。

AI時代だからこそ、人間は募集要項をもっと深く読める。

転記や計算から解放された時間で、

「なぜ?」

に向き合う。

その使い方ができれば、指定管理の積算業務はかなり変わります。

今回のExcelとプロンプト、ぜひ自社の案件でも使ってみてください。

そしてAIが「利益率20%」の収支を出してきたら。

一度、疑ってみてください。

そこからが、本当の積算の始まりです。


指定管理者案件の収支積算・参入判断を一気に行うAIプロンプト

山梨市社会体育施設の実案件でAIと収支積算を繰り返し、完成した思考プロセスをあらゆる指定管理施設で使える形に一般化したプロンプトを無料公開中!

指定管理者案件 収支積算・事業性診断AIプロンプト

資料に含まれる内容

  • 募集要項・仕様書から案件条件を自動整理
  • 収入・経費を数量×単価でゼロベース積算
  • 直近5年間の実績と自動比較
  • 人員配置・人件費をポスト×時間から積算
  • 自主事業・新規収益を事業別に分析
  • 積算と実績の乖離理由を分析
  • 前提条件そのものを疑い改善余地を探索
  • 自治体への質問票を自動作成
  • GO・CONDITIONAL GO・NO GOまで参入判断
  • スポーツ・文化・公園・観光・コミュニティ施設など幅広い指定管理案件に対応
ヤマザキ君
指定管理者制度AI 編集長:ヤマザキ
提案書作成のコツから採択事例の分析、効率的な資料作成方法まで、実践的な情報を発信中。
指定管理者制度に携わる皆様の業務効率化と採択率向上をサポートする記事をお届けしています。

ヤマザキは2004年から大学で指定管理者制度を研究し、
2010年からの10年間は、指定管理/PFI/PPPのコンペや運営現場の最前線に立ち続けてきました。
その後はスタートアップとの協業や出資、ハッカソンも数多く主催。「現場」と「未来」双方の知見を活かした情報発信を行っています。

その経験をもとにした本サービス「指定管理者制度AI」では、実際にAIを活用した提案書・企画書作成サービスを展開。 豊富な採択事例データベースと高度な自然言語処理技術により、要点整理から文書構成の最適化まで包括的にサポートします。
自治体要件の読み取り、競合分析、予算計画の策定など、指定管理者応募に必要な業務を効率化し、 質の高い提案資料を短時間で作成できる専門AIツールを提供しています。