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指定管理・PPP/PFIのきほん

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PPPとPFIの違い — 官民連携の3分類

この記事の目次

この章を読み終わるとできること

  • PPPとPFIの関係を、絵を描きながら30秒で人に説明できる

  • 官民連携の手法を「①つくる/②活かす/③解決する」の3エリアに分ける軸を、自分の言葉で言える

  • 指定管理者制度・コンセッション・Park-PFI・PFI・DBOが、それぞれどのエリアの住人かを地図の上に置ける

  • 「性能発注」がなぜこの森の共通の作法なのかを説明でき、それが案件の分類の軸ではないことを区別できる

  • 新人が起こしがちな分類の取り違えを、その原因(何を見て間違えたか)まで説明できる

官民連携という森の地図

全員がここでつまずく

第1章では「なぜ今、PPP/PFIに追い風が吹いているのか」——その構造を扱いました。

人口減少、インフラの老朽化、そして国による市場の拡大。追い風は、あなたの実力とは関係なく、構造として吹いている。

さて、追い風の正体がわかったら、次にやることは決まっています。その風が吹いている"森"の地図を、手に入れることです。

というのも——PPP/PFIの世界に足を踏み入れた人が、ほぼ全員ぶつかる壁があるんです。それがこれ。

「PPPとPFIって、何が違うの?」

「指定管理者制度も、コンセッションも、Park-PFIも、ぜんぶPPP? それとも別物?」

「で、結局、自分が狙うべきはどれなんだ……?」

——この壁は、頭の良し悪しの問題ではありません。

言葉が多すぎる。

しかも、どれも似ていて、関係性が見えない。

まるで、木の名前だけ大量に覚えさせられて、森全体の地図はもらえないまま放り込まれたような状態です。

そして、ここがはっきりしないまま自治体の公募一覧を開いても、どの案件が自社の土俵なのか、1件も選べません。用語の整理は、教養ではなく、案件を選ぶための道具です。

でも、安心してください。この章を終えるころには、その森の地図が、あなたの手の中にあります。

バラバラだった用語が、一本の見取り図の上にきれいに並ぶ。そして何より——あなた自身が、その森のどこに立っているのかが、はっきり見えるようになります。

この章のゴールは、手を動かすことではありません。読み終えたときに、地図が頭の中に入っていることです。傘と代表選手の関係、3つのエリア、その3つを分ける軸、そして自分が目指す指定管理者制度の居場所——これを白い紙に絵で描き出して人に説明できれば、この章は達成です。実際の公告を1本ずつ判定していく実務は、第4章以降で扱います。

ここで言葉をひとつ決めておきます。以下で公告と呼ぶのは、自治体が公募の開始時に公表する一式の文書のことです。指定管理者の公募でその中心にあるのは募集要項。ほかに「公募要領」「実施方針」「募集の御案内」など、表紙に付く名前は自治体ごとにばらつきます。名前は違っても、分類のために読む場所と読む順番は同じ。だから以下ではまとめて公告と呼び、個々の文書を指すときは表紙に書かれている名前をそのまま使います。

そして、呼び名で中身を判断しないこと。どの名前の文書に何がどこまで書かれているかは自治体ごとに違います。表紙の名前ではなく、目次と第1章で中身を確かめてください。この一式の中でも、募集要項は第5章で「その案件の憲法」として1本まるごと使って読み込むことになります。

結論:PPPは「大きな傘」、PFIはその下の「代表選手」

まず、いちばん大事な結論から。多くの人がここでつまずくので、最初にスパッと整理します。

PPPは傘の名前。PFIは、その傘の下にいる代表選手の名前です。

  • PPP(Public Private Partnership =官民連携)……官や自治体の仕事を民間と連携して行う、あらゆる手法の総称。これが大きな傘。

  • PFI(Private Finance Initiative)……その傘の下にある代表的な一手法。民間の資金とノウハウで、公共施設の設計・建設から運営までをまとめて担う。

絵にすると、こうです。

読み取り方は1つだけ。外の箱がPPP、中の箱の1つがPFIです。PFIとPPPは並列ではなく、親子。この上下関係さえ頭に入れば、「PPPとPFIの違いは?」という質問には「違いというより、傘と、傘の下の代表選手です」と答えられます。

PFIは件数が多く、中核的な存在なので、傘全体を指すときも「PPP/PFI」とセットで呼ばれる。だから初心者は「PPPとPFIは同じもの?」と混乱するんですが——傘(PPP)と、傘の下の代表選手(PFI)、この親子関係さえ押さえれば、もう迷いません。

そして、あなたになじみ深い指定管理者制度も、この傘の下にいる一員です。PFIとは兄弟のような関係。同じPPPファミリーだけれど、役割が違う。その「役割の違い」を、これから地図にしていきます。

森を3つのエリアに分ける——これが地図の幹になる

PPPという森には、本当にたくさんの手法(木)が生えています。PFI、DBO、指定管理者制度、コンセッション、Park-PFI、包括的民間委託、リース方式……名前を挙げればキリがない。

でも、安心してください。これらは、たった3つのエリアに分けると、一気に見通せます。分類の軸は「その手法が、施設に対して何をするのか」です。

読み取り方は3つ。まず、上の箱がPPPという森全体で、下の3つはその中のエリアです(親と子の関係で、並列ではありません)。次に、左から右へ「これから建てる → もう建っている → そもそも施設の話じゃない」と対象が移っていきます。そして★が、あなたが目指す指定管理者制度の居場所です。

エリア①:新しい施設を「つくる」手法

一つ目のエリアは、新しい公共施設をゼロから整備するための手法です。

学校、庁舎、図書館、スポーツ施設——「これから建てる」場面で使われます。代表選手はやはりPFI。民間が資金を調達し、設計・建設から運営・維持管理までをまとめて引き受ける。ほかにDBO(設計・建設・運営をまとめて任せるが、資金は自治体が調達する方式)なども、このエリアの住人です。

このエリアの共通点は、「民間の知恵で、より良いハコを、より効率的に生み出す」こと。

つくる手法の中身——PFI・DBO・SPCがそれぞれ何者なのかは、次の章でまるごと1本使って分け入ります。ここでは「①のエリアには、資金を誰が出すかで枝分かれした手法が並んでいる」とだけ掴んでください。

エリア②:今ある施設を「活かす」手法 ←ここに指定管理がいる

二つ目のエリアは、すでにある公共施設を、効果的に運営・活用するための手法です。

そして——あなたが目指す指定管理者制度は、まさにこのエリアの住人です。

すでに建っている市民会館、体育館、公園、図書館。それを「誰が、どう運営するか」。ここで民間の出番が来ます。このエリアには、指定管理者制度のほかに、コンセッション(施設の運営権そのものを民間に委ねる方式)、Park-PFI(公園に収益施設を設けて、その収益で公園整備・管理を行う方式)、包括的民間委託(複数の維持管理業務をまとめて長期で委ねる方式)などが並びます。

ひとつ注記を。コンセッションはPFI法に基づく手法です。②に置いたのは「既にある施設を活かす」という役割で見たときの整理であって、法律の系統で見ればPFIの一員。この地図の分類軸は役割であって、法的な系統ではない——ここだけ混ぜないでください。

新規参入を考えるあなたにとって、いちばん入口が広く、案件数も多いのが、このエリア。だから、これ以降の話は最終的にここを深掘りしていきます。

もうひとつ、地図を使う前に知っておいてほしいことがあります。これらの手法は「どれか一つを選ぶ」ものとは限りません。大きな公園でPark-PFIと指定管理を組み合わせて一体で民間に委ねる、PFIで整備した施設の運営を指定管理者として担う——現場ではこうした合わせ技が普通にあります。地図は、1つの箱に押し込むための道具ではなく、自社が担う部分がどの箱にあたるかを切り出すための道具です。

指定管理者制度・コンセッション・Park-PFIが同じ②エリアの中でどう違うのか、組み合わせるとどうなるのかは、第4章でそれぞれの判定表まで作ります。

エリア③:施設の枠を超えて「地域の課題を解決する」手法

三つ目のエリアは、少し毛色が違います。特定の施設というより、地域が抱える課題そのものを解決するための手法です。

たとえば、まちなかの賑わいをつくる道路や公園の活用、エネルギーの地産地消、健康・福祉分野での成果連動型の取り組み——。「ハコ」が主役ではなく、「地域をどう良くするか」が主役のエリアです。新しい分野なので、これから広がっていく可能性を秘めた領域でもあります。

現場メモ この3分類、実は「自治体の困りごと」とぴったり対応しています。

①新しい施設が要る → つくる手法。

②今ある施設をなんとかしたい → 活かす手法。

③施設の話じゃないけど地域をなんとかしたい → 課題解決の手法。

提案するとき、相手の自治体が「3つのうちどの困りごとを抱えているか」を見極めると、刺さる提案が作れます。

手法から入るのではなく、相手の困りごとから入る——これ、新規参入者がベテランに差をつける、最初のコツです。

なぜ「自治体は細かい仕様を決めない」のか——森に共通する作法

3つのエリアを見渡すと、PPP/PFIの森全体に流れる、ある"共通の作法"が見えてきます。それが——自治体は、こと細かに作り方を指定しないということ。

従来の公共発注は、自治体が「この材料で、この工法で、こう作りなさい」と細部まで指定する「仕様発注」が基本でした。でもPPP/PFIの世界では、自治体は「こういう成果・サービス水準を満たしてほしい」とゴールだけを示し、そこに到達する方法は民間の創意工夫に委ねる——この「性能発注」という考え方が基本になります。

これ、新規参入者にとっては超重要です。なぜなら、自治体が手取り足取り指示してくれない=あなたの知恵とアイデアで勝負できる、ということだから。第1章で扱った「何を作るかより、どう活かすか」の時代。その思想が、発注のやり方にもしっかり表れているんです。

ただし、裁量の広さは自治体差がとても大きい。同じ指定管理でも、開館日・開館時間、配置する職員数と資格、清掃や保守点検の回数まで細かく指定してくる公告はあります。ここを「性能発注なんだから自由に提案していいはずだ」と思い込んで読むと、動かせない枠を勝手に動かした提案ができあがる。どこまでが動かせない枠で、どこからが提案の余地なのかは、思い込みで決めず、公告本文で線を引いてください。「〜すること」「〜しなければならない」と書かれている条件は枠、「提案してください」「工夫を求めます」と書かれている項目が勝負どころです。

ここでひとつ、混ぜてはいけない線を引いておきます。発注の書かれ方は、案件の分類の軸ではありません。

公告が細かい仕様の指定で埋まっていても、指定管理者制度の公募は指定管理者制度の公募のままです。制度の名前は、地方自治法にもとづく手続きとして公告に書かれているのであって、書きぶりが仕様寄りか性能寄りかで変わるものではありません。性能発注か仕様発注かは、入ったあとに自社の裁量がどれだけあるかを測る手がかりであって、①②③のどこに属するかを決める材料ではない——ここを混ぜると、細かい仕様書の付いた指定管理案件を「これはPPPじゃない」と切り捨ててしまいます。分類を決めるのは、このあとに置く3つの問いだけです。

新人がやらかす分類ミス4パターンと、その直し方

地図を渡しただけの状態で公告を読むと、次の4つの取り違えが起きやすくなります。しかも取り違えは、その場では気づけません。分類を間違えたまま先へ進めば、そもそも自社が応募できない案件に提案準備の時間を丸ごと注ぎ込むことになります。判定の順番を先に決めておけば防げるので、失敗のかたちを先に置いておきます。

同じ内容を表で見る(コピー・検索用)

失敗パターン何を見て間違えたかどう直すか
公告名に「PFI」とあるだけで①つくる案件だと決める手法名だけを見て、民間に求められる業務範囲を見ていない業務範囲に設計・建設(またはその資金調達)が入っているかを第1章で先に確定させる。手法名は後から読む
「公園」とあれば全部Park-PFIだと思い込む施設の種類と手法名を混同している公園の案件でも、既存公園の運営者を選ぶなら②の指定管理。収益施設を設けてその収益で整備・管理まで担うならPark-PFI。収益施設をこちらが作るのかどうかで切り分ける
「賑わい創出」の文字を見て、施設の運営案件なのに③だと判定する手段(賑わい)と対象(特定施設)を取り違えている対象が特定の1施設に限定されているなら②。対象が「まちなか」「地域全体」まで広がっているなら③
新設施設の指定管理者公募を、施設が新しいという理由で①だと思い込む施設の新旧だけを見て、民間に求められる業務範囲を見ていない開館前の施設でも、民間に求められているのが開館準備と管理運営だけなら②。設計・建設が業務範囲に入っているかどうかで切る

4つとも原因は同じで、手法名や施設の見た目という「木の名前」から読み始めていることです。順番を逆にする。まず民間に求められる業務範囲、次に対象がどこまで広がっているか、最後に手法名。この順で読むと、取り違えはほぼ消えます。

なお、この森の隣には「公募型プロポーザル」という、指定管理で培った力をそのまま持ち込める市場が広がっています。そちらの狙い方は第7章でまとめて扱います。

地図を1枚にまとめる——官民連携3分類 早見表

ここまでの話を、1枚の表に畳んでおきます。手法名に出会うたびにこの表の上に置けば、その手法が森のどこに生えている木なのかが分かります。

エリア代表的な手法施設は誰が作るか誰が運営するか契約の長さの目安参入に要る体力(公告のどの欄と突き合わせるか)公告名によく出る言葉
①つくるPFI民間が設計・建設し、資金調達も民間民間(設計・建設から運営・維持管理まで通しで担う)指定管理より長い(建設期間+運営期間を通しで担うため)。実数は公告の事業期間欄で読む資金調達力と、設計・建設側の企業と組める体制。自社に無い場合は「応募単位(単体/グループ)」欄と構成員の要件欄を見るPFI/設計・建設/整備/維持管理・運営
①つくるDBO民間が設計・建設(資金は自治体が調達)民間(設計・建設・運営をまとめて担う)同じく長い。実数は公告の事業期間欄で読む設計・建設・運営を束ねる体制。資金調達は自治体側なので、金融面より体制面が要件になるDBO/設計・建設・運営
②活かす指定管理者制度主たる対象は既存施設(開館前の新設施設でも、設計・建設は業務範囲の外)民間(施設の管理・運営)指定期間はおおむね3〜5年が一般的。実数は公告の指定期間欄で読む常勤で配置できる人数と、資格を持つ人員(公告に書かれた職員の配置条件と突き合わせる)。単体で応募できる案件もあれば、グループでの応募を前提にした案件もある。どちらかは公告の応募単位の記述で読む指定管理者/指定管理者制度/管理運営
②活かすコンセッション主たる施設は既存(運営権を民間が持つ)。期間中の改修・更新投資を運営権者が担う設計が多い民間(施設の運営権そのものを持つ)指定管理より長い(運営権を握るため)。実数は公告の事業期間欄で読む運営権を持つ前提の資本力とリスク負担力。改修・更新をどこまで担うかは公告の負担の分担に関する記述で読むコンセッション/運営権
②活かすPark-PFI収益施設は民間が作る(公園そのものの整備・再整備が併せて含まれる案件もある)民間(収益施設の運営+公園の整備・管理)収益施設の投資回収に見合う長さが設定される。実数は公告の許可期間・事業期間の欄で読む収益施設への投資判断ができること。飲食・物販などの収益事業の運営力Park-PFI/公園/収益施設
②活かす包括的民間委託主たる対象は既存施設の維持管理民間(複数の維持管理業務をまとめて担う)複数年・複数業務をまとめて委ねられる。実数は公告の委託期間欄で読む複数業務を束ねる管理体制。設備系の技術力包括的民間委託/維持管理
③解決するまちづくり・エネルギー・健康福祉などの取り組み施設が主役ではない民間(地域課題の解決そのものを担う)幅が大きい。公告で読む分野の専門性と、行政・地域との調整力まちづくり/賑わい/エネルギーの地産地消/成果連動型

読み取り方は3つ。左3列(エリア・手法・施設は誰が作るか)がその手法が何者かを決めている列、右3列(契約の長さ・要る体力・公告名の言葉)がそのエリアに入るとき何を問われるかを示す列です。左を読めば分類ができ、右を読めば、そのエリアが自社にとってどれだけ遠いかが見えます。

覚える基準値は1つだけ——指定管理の指定期間はおおむね3〜5年。これより明らかに長い期間が書かれた案件は、②の中でもコンセッションやPark-PFIのように投資回収を前提にしたものか、①を含むものだと考えてください。他の手法の年数を数字で覚える必要はありません。公告の事業期間・指定期間・設置管理許可期間の欄に実数が書いてあるので、どの欄を見れば分かるかさえ頭に入っていれば足ります。この表の「契約の長さの目安」列が相対表現で書かれているのは、そのためです。

分類は「読む順番」で決まる

早見表は、手法の名前を知っているときに引く表です。では、名前の分からない公告が1本目の前にあるときは、何から読むのか。順番はこうなります。

読み取り方は3つ。まず、上から順に、Noのときだけ下へ降りる構造です。Q1でYesなら、②も③も見る必要はありません。次に、問いがどれも表紙と第1章だけで答えられるものに絞ってあること。分類は全文を読まなくても決まる、というのがこの図の主張です(章立ての無いA4数枚の公告やHTMLページ1枚の告知なら、冒頭の「事業の目的」「事業概要」にあたる部分を第1章とみなします)。そして、Q3bまで来てもNoなら、無理にどれかへ押し込まず「判定保留」に置くこと。分からないものを分からないまま置けるのは、地図を持っている人の強みです。

3つの問いが、それぞれ何を測っているのかも押さえておいてください。Q1は業務範囲、Q2は対象の広がり、Q3・Q3bは収益施設を誰が新しく建てるか。手法名も、施設の種類も、公告の書きぶりも、この3つには一切入っていません。分類ミス4パターンの原因がすべて「木の名前から読み始めたこと」だったのは、この図の裏返しです。

そして、分類はゴールではなく入口です。②と決まったあと、自社がその案件に入れるのかどうかは、公告の応募資格にあたる章に並んだ条件を1つずつ当てて判定します。その読み方は第5章でまるごと扱います。

4つの架空案件を、この順番で読んでみる

以下の4件は、練習用の架空の公告名です。実在の自治体・施設とは関係ありません。上の順番で読むと、こう決まります。

架空の公告名Q1Q2Q3Q3b分類分類が決まると次に何が問われるか
「(仮)緑川市新総合体育館 整備・運営事業 民間事業者募集要項」Yes①つくる施設本体の設計・建設が業務範囲。運営専業の会社が代表企業として単独で入る場所ではなく、問われるのは運営担当として体制に加われるかどうか
「(仮)緑川市民会館 指定管理者募集要項」NoNoYes②活かす既存施設の運営者選定。問われるのは応募資格に並ぶ条件を満たせるか(第5章)
「(仮)緑川駅前エリア 賑わい創出パートナー公募要領」NoYes③解決する対象が特定施設ではなくエリア全体。問われるのはまちづくり分野の専門性
「(仮)緑川中央公園 公募設置等指針(収益施設の設置・運営及び公園施設の管理)」NoNoNoYes②活かす(Park-PFI型)建てるのは既存公園に付属する収益施設だけなのでQ1はNo。問われるのは飲食・物販の運営力と、収益施設への投資判断

読み取り方は3つ。ひとつは、判定が確定した時点で、以降の列は「—」になること。1件目はQ1でYesが出た瞬間に①で確定するので、Q2以降は読む必要がありません。

ふたつめは、4件目のようにこれから建てるものがあってもQ1がNoになる案件がある、ということ。建てる対象が主たる施設なのか、付属の収益施設なのか——ここが①と②を分ける線です。

みっつめが、いちばん間違えやすいところ。4件目は公告名に「公園施設の管理」と書いてあるのに、Q3はNoです。管理という言葉が入っているからYes、ではありません。Q3が聞いているのは「収益施設を新しく設けることを伴わずに、管理者・運営者だけを選ぶ案件か」。4件目は収益施設の設置がセットになっているのでNoになり、Q3bで拾われてPark-PFI型に着地します。公告名の単語ではなく、問いの文そのものに答える——ここを省くと、4件目は②の指定管理だと判定され、収益事業の投資判断をしないまま応募準備に入ることになります。

3行まとめ

  1. PPPは傘(官民連携の総称)、PFIはその下の代表選手。指定管理者制度も同じ傘の下の一員です。

  2. 森は「①つくる/②活かす/③解決する」の3エリアで見通せて、指定管理は②の住人。入口が広く、案件も多い。

  3. 分類は手法名からではなく、民間に求められる業務範囲 → 対象の広がり → 収益施設の新設の有無、の順で決まる。手法名は最後に読む言葉です。

この章で頭に入ったのは、森の全体像と、その森を3つに割る軸です。PPPという傘の下に手法が並び、その手法は「これから建てる/もう建っている/そもそも施設の話ではない」で3エリアに分かれ、指定管理者制度は②の住人である——ここまでが1枚の絵として描ける状態になりました。あわせて、名前の分からない公告に出会ったときも、業務範囲・対象の広がり・収益施設の有無という3つの問いで居場所を決められること、そして性能発注という共通の作法はその判定の軸には入らないことも、区別がついたはずです。

この地図が効いてくるのは、第4章以降です。②のエリアに降りて、指定管理者制度・コンセッション・Park-PFIの違いを詰め、募集要項を1本まるごと読み、自社が入れる案件かを1件ずつ判定していく——そこで扱うのは全部、この地図の②の中の話になります。議論が森のどこで起きているのかを分かっている人だけが、細部についていけます。 新しい用語に出会っても、「これは"つくる"エリアの手法だな」と自分で位置づけられる。地図を持つ者は、迷わないんです。

本章の例示は特定の場面のものです。転用時は自案件の公募資料と自社実績で必ず置き換えてください。

この章の学習を終えたら