
【AI×指定管理シリーズ第4回】事業計画書ファーストドラフトを「説明会前」に書き上げる──千代田区立図書館(5館)公募で実践した、勝率が変わる新常識
指定管理・PFI事業者向け。千代田区立図書館(5館)公募を題材に、応募要項を見てから半日でAIと事業計画書ファーストドラフトを書き上げた実況をお届け。説明会前に書き上げる3つのメリット、章ごとのステップバイステップ執筆、自社カラーを宿らせるプロンプト、複数施設案件で見えた網羅性の壁まで率直公開。2026年シーズン目前、勝率を変える指定管理書類づくりとは。
公開日2026/04/26
目次
【AI×指定管理シリーズ第4回】事業計画書ファーストドラフトを「説明会前」に書き上げる──千代田区立図書館(5館)公募で実践した、勝率が変わる新常識
指定管理者・PFI事業者のみなさん、こんにちは。 指定管理者制度AI編集長のヤマザキです。
「説明会の日程が出た。さあ、ここから事業計画書づくりのスタートだ──」
もし、あなたのチームがいまもこの順番で動いているとしたら。 正直に申し上げます。 これからの指定管理シーズン、相当苦しい戦いになります。
なぜなら、AIを使いこなす競合他社は、すでに「説明会の前に」ファーストドラフトを書き上げて現地に乗り込んでいるからです。
私自身、長くこの業界に身を置いてきましたが、説明会前にファーストドラフトを終えて現地視察に向かう事業者なんて、AI時代が来る前には見たことがありませんでした。 それが2026年シーズン目前のいま、確実に起こり始めている地殻変動です。
今回は、千代田区立図書館(5館)の指定管理者公募を題材に、私が実際に応募要項を見てから半日でファーストドラフトを書き上げた、その実況をお届けします。
この記事でわかること
- 事業計画書を「説明会前」に書き上げることで得られる、3つの圧倒的アドバンテージ
- ファーストドラフトを半日で完成させるための、AIとの具体的なやり取りの流れ
- 質を落とさずスピードを出すための「ステップバイステップ執筆」という鉄則
- 自社らしさを文章に宿す、たった一つのプロンプト設計のコツ
- 複数施設案件でAIに任せきれない「網羅性」の壁と、その突破方針
- ドラフト完成後、説明会・現地視察を経て「精緻な計画書」へ磨き上げる進め方
シリーズここまでのおさらい
本記事はシリーズ第4回です。まだご覧になっていない方は、ぜひ前回までの記事もあわせてどうぞ。
- 第1回:【千代田区立図書館編①】AIを使った指定管理事業計画書づくり 事前リサーチ編
- 第2回:【千代田区立図書館編②】深掘りリサーチ&社内稟議突破編
- 第3回:【千代田区立図書館編③】人員配置編・AIに「現場の呼吸」を吸わせる方法
題材としている公募案件はこちらです。 千代田区立図書館(5館)指定管理者公募|千代田区公式サイト
なぜ「説明会前」にドラフトを書き上げるのか──3つの戦略的メリット
まず、いちばん大事な前提からお伝えします。
今回ご紹介するファーストドラフトは、説明会が開催される前に書き上げたものです。 ちなみに本件の実際の説明会はすでに終了していますが、記事は「説明会前の状態」のリアルを残すために、あえて当時のまま書いています。
「いやいや、説明会で配られる追加資料や質問回答もないのに、書ける範囲なんて限られてるでしょう?」
そう思った方こそ、読み進めてください。 書き上げることそのものに、計り知れないメリットがあるのです。
メリット①:現地視察の「解像度」が、別次元に上がる
何も手元にない状態で現地視察に行くのと、すでに頭の中に「こういう施策で勝負するつもりだ」という仮説がある状態で視察に行くのとでは、見えるものがまったく違います。
ファーストドラフトを書き上げた状態で現地に立つと、
- 「この導線なら、自分が書いたあのイベント施策、本当に実現できるか?」
- 「この閲覧スペースの広さなら、書いた通りの利用者数は捌けるか?」
- 「ここで書いた地域連携、商店街との物理的な距離感はどうだろう?」
と、施策一つひとつに対する実現可能性の自己検証が、現場で同時並行的に走り出すんですね。
逆に、何も書かずに視察に行くと、ただ「ふむふむ」と建物を見て回って終わりです。これが現実です。
メリット②:JV(ジョイントベンチャー)を組みたい相手を、強く動かせる
指定管理の世界では、JV相手を口説き落とす局面が必ずあります。 そのとき、手ぶらで「一緒にやりませんか」と声をかけるのと、「事業計画書のファーストドラフトはもう書いてあります。フィードバックをお願いできますか」 と、差し出すのとでは、相手の反応が180度変わります。
なぜか。 理由は2つあります。
- 相手は、ドラフトへのフィードバックという形で、最も自分の専門性が活きる関わり方ができる
- 相手は、自社の工数が大幅に減ることを、間接的に理解できる
口説きの場で「私たち、もうここまで進めています」と差し出すドラフトは、口頭で熱意を語る100倍、相手の意思決定を後押ししてくれます。
メリット③:すでに組んでいるJV相手の「士気」が、ぐっと上がる
すでにJVを組む相手が決まっているケースでも、効果は絶大です。
「説明会前にファーストドラフトを書き上げてくる代表企業」を見て、士気が下がるサブメンバーはいません。むしろ、
「この案件、本気でとりにきてるな」 「自分も中途半端な仕事はできない」
と、チーム全体の温度が一段階上がります。 AI時代以前は、こんな進め方をする事業者はまずいませんでした(少なくとも私は見たことがありません)。 だからこそ、いま実行する価値が大きいのです。
ただし、誤解しないでください──ドラフトは「未完成品」でいい
ここまで読んで、「説明会前のドラフトって、そんなに完成度が高いものなの?」と思われたかもしれません。
正直に申し上げます。完成品とは程遠いです。
なぜなら、説明会前の段階では、
- 説明会で配布される追加資料が手元にない
- 質問回答(Q&A)の情報が反映できない
- 特に収支計画の前提条件を、AIに十分理解させきれていない
という状態だからです。
ですが、繰り返しになりますが、「未完成のまま、書き上げてしまう」 ことそのものに、以後の指定管理獲得戦における圧倒的な優位性があります。
説明会以降、チーム内で新しい情報が増えていくたびに、
- AIに新情報を追加する
- 実現可能性を再検証する
- 「これは無理だ」と判断した施策は、潔く削る
このサイクルを回し続けることで、ドラフトはどんどん研ぎ澄まされ、最終的に他社が追いつけない精緻な事業計画書へと進化していきます。
実況中継:AIと一緒に半日でファーストドラフトを書き上げた、その全工程
ここからは、私が実際にAIと一緒に作業した流れをそのままお見せします。 今回実際に書き上げたファーストドラフト本体は、こちらでご覧いただけます。
👉 千代田区立図書館 ファーストドラフト本文を読む(Google Docs)
「半日でここまで書き上げられるのか」を、ぜひご自身の目でお確かめください。
ステップ1:書く内容の「全体像」をAIと握る
私は、リサーチ段階で大量の情報を読み込ませてきたNotebookLMに、まずこう投げかけました。
では、これから事業計画書を書いていきます。
私たちが書く内容について、どんなテーマを書いていくかを教えてくれますか?
私が資料を見た限り、行政から指定されている内容は下であると理解していますが、正しいですか?
本件業務要求水準書に掲げる各業務の遂行に関する事業計画書(指定期間分)
(ア) 事業計画概要(申請理由・目的、事業概要)
(イ) 施設の管理運営に係る基本方針
(ウ) 図書館業務(図書館サービス業務、資料管理業務、各種図書館サービス、読書活動推進事業等)
(エ) 図書館業務以外の施設運営業務(ミュージアム関連業務、各種イベント業務、施設の管理運営・維持管理業務、経理・庶務業務等)
(オ) 他との連携(地域団体等との連携)
(カ) 個人情報保護体制(個人情報保護・情報セキュリティ等)
です。なぜ、いきなり書き始めずに「全体像の確認」から入るのか。 理由は2つあります。
- AIと全体構造を握ることで、後々の章で「あ、これさっきの章と話がかぶってる」という事故を防げる
- 全体を見据えてから書くことで、各章の役割分担がクリアになり、論点の重複や漏れを最小化できる
千代田区スタイルの応募書類は、
- 事業計画書
- 収支計画書
- 人員配置計画書
の3つに分かれています。本記事で扱う「事業計画書」に該当する内容が、まさに上記の(ア)〜(カ)です。
なお、収支計画書は後日詳細を、人員配置計画書はシリーズ第3回で基礎資料の作成方法を、清書編は後日改めてご紹介します。乞うご期待。
AIからは「認識合っています」という旨の返答が返ってきました。 ここで全体像の合意が取れたので、いよいよ各章の執筆に入ります。
ステップ2:実際に使ったプロンプト
ここで使ったプロンプトは、こちらです。
あなたは100戦100勝を誇る、世界的コンサルティングファーム出身の
世界一の指定管理者コンサルタントです。クライアントを100%勝利に導きます。
これから、千代田区立図書館(千代田図書館、日比谷図書文化館、四番町図書館、昌平まちかど図書館、神田まちかど図書館の5館)の次期指定管理者事業計画書を、
他社を圧倒する「勝てる計画書」として書き上げるため、
私の壁打ち相手となり、実際に文章の執筆まで伴走してください。
【目的】
以下の『』内に記載された千代田区の事業計画書フォーマットに従い、
内容の重複や漏れがなく、かつ全体を通して一貫した戦略(GLAM構想、ビジネス支援、地域リソースのデジタル統合など)に基づく質の高い計画書を完成させること。
【絶対遵守のルール(仕事の進め方)】
AIが勝手に全項目を一度に書き上げることは厳禁です。
必ず以下のステップバイステップで進めてください。
■ステップ1:勝つための「全体戦略」の策定
まずは執筆に入らず、今回の千代田区コンペに勝つための
「コンセプト」「強み」「重点施策」の全体像(骨子)を私に提示してください。
その際、千代田区特有の人口動態(圧倒的な昼夜間人口差)への対応、
日比谷図書文化館のミュージアム機能の活用、
または「本の街」神田などの地域リソース連携をどう盛り込むかなど、
私に確認すべき質問を3つほど投げかけてください。
私の回答と合意が得られてからステップ2へ進みます。
■ステップ2:項目ごとの個別執筆(ここが最も重要)
ステップ1で合意した戦略に基づき、以下の事業計画書フォーマットの
「1 管理運営の方針等」から順番に【1項目ずつ】作成します。
1つの項目を書き上げるごとに、必ず以下の3点を行ってください。
1. 書き上げた文章の提示
2. 前後の項目との重複や矛盾がないかの自己評価
3. 次の項目を書くにあたり、私から提供してほしい
具体的な情報やデータ(人員数、独自のDX施策、予算感など)のヒアリング
私が「OK、次へ進んで」と指示するか、
必要な情報に回答するまで、絶対に次の項目には進まないでください。
■ステップ3:全体推敲
全項目が完了したら、コンサルタントの厳しい目線で全体を通読し、
論理破綻がないか、説得力があるか(特に人員配置の専門性と収支計画のフィージビリティ)を最終チェックし、微調整を行ってください。
それでは、まずは【ステップ1】から開始してください。
『
千代田区立図書館 事業計画書
本件業務要求水準書に掲げる各業務の遂行に関する事業計画書(指定期間分)
(ア) 事業計画概要(申請理由・目的、事業概要)
(イ) 施設の管理運営に係る基本方針
(ウ) 図書館業務(図書館サービス業務、資料管理業務、各種図書館サービス、読書活動推進事業等)
(エ) 図書館業務以外の施設運営業務(ミュージアム関連業務、各種イベント業務、施設の管理運営・維持管理業務、経理・庶務業務等)
(オ) 他との連携(地域団体等との連携)
(カ) 個人情報保護体制(個人情報保護・情報セキュリティ等)
』
〇構成
冒頭は「はじめに」で本章のエグゼクティブサマリーを伝えてください。
最後は「おわりに」でこの章で述べたことのサマリーと感情的にゆさぶる言葉で終わりにしてください。
〇文章のルール(トーン&マナー)
1.断定的かつ確実な表現(Commitment)
「~と思います」「~を検討します」といった曖昧な表現は禁止します。
「~を実施します」「~を実現します」「~を確実に遂行します」と、言い切りの形で意志と実行力を示してください。
2.実績に基づく帰納的論理(Evidence-Based)
提案内容の根拠として、必ず「過去の実績・ノウハウ」を枕詞にしてください。
構文例:「[年数]年にわたる[類似施設]での管理運営実績を活かし、~を行います」
「新しいアイデア」単体ではなく、「実績があるから確実にできる新しいアイデア」という見せ方をしてください。
3.体言止めと敬体のリズム(Professional Rhythm)
見出しや箇条書きの冒頭は、名詞または体言止め(例:「安全性の確保」「地域連携の推進」)を使用し、力強さを出してください。
本文の末尾は丁寧な「~ます」調で統一し、行政に対する誠実さを示してください。
4.スキャン可能な構造化(Scannability)
長文を避け、「●(黒丸)」を用いた箇条書きを多用してください。
各段落の冒頭には、【 】(隅付き括弧)で囲った「キャッチフレーズ」を置き、要点を一目で伝えてください。
例:【地域一体となった防災拠点化】●近隣自治会と連携し……
5.防御的記述と危機管理(Risk Management)
ポジティブな提案だけでなく、「万が一のトラブル」への対応力を示唆してください。
「緊急時には速やかに~」「災害発生時は~」といった記述を盛り込み、行政の「安心感」を担保してください。
6.行政施策との整合性(Policy Alignment)
単なる運営だけでなく、自治体の上位計画(まちづくり、福祉、SDGsなど)にどう貢献するかという視点を必ず入れてください。
〇出力形式
見出しを含めた構成案として出力してください。
重要なキーワードは太字にしてください。
〇制約条件
株式会社ヤマザキの経営理念である「ヤマザキは利用者のそばに」と事業計画書で定義した指定管理施設の運営方針と絡めながら、具体施策を提案、論じてくださいそして、このプロンプトを使って実際に書き上がったのが、先ほどご案内した
ファーストドラフト本文です。
プロンプトと成果物をセットで眺めていただくと、AIとの対話で何が生まれているのかが立体的に伝わるはずです。
文章のトーン&マナー、お作法部分は各社で文化が違うはずなので、ぜひ自社カラーにカスタマイズしてお使いください。
ヤマザキが声を大にして伝えたい、たった2つのコツ
プロンプト全体は添付ファイルにお譲りするとして、私がこの記事で最も伝えたいポイントは、たった2つです。
コツ①:ステップバイステップで作る──「全章まとめてポン出し」は絶対NG
「全6章、一気に書いて」とAIに頼みたくなる気持ち、よくわかります。 でも、絶対にやめてください。
現段階のAIに全章まとめてのポン出しを依頼すると、各章の文章の質が劇的に落ちます。 表面的な文言は埋まるものの、深さも個性も主張も消えた、「いかにもAIが書きました」という量産型の文章ができあがります。
私もこれまで色々な進め方を試してきましたが、結論は明確です。
章ごと(項目ごと)に、1つずつ書いていく。 これがスピードと質のバランスがいちばんいい。
具体的には、
- AIに「(ア) 事業計画概要を書いてください」と1章だけ依頼
- 出力を確認、修正指示
- OKが出たら「次は(イ) 基本方針をお願いします」
- 以下、繰り返し
この地道な進め方が、実は最速のルートです。
コツ②:執筆前に「AIから質問を投げてもらう」ようにプロンプトに組み込む
これが、自社の個性を文章に宿らせる最大のキモです。
AIに章の執筆を依頼するとき、「いきなり書き始めず、まず私に質問を投げてください」と必ず指示しましょう。 AIから返ってくる質問に答えながら、
- 自社の想い
- 自社のこだわり
- リサーチで集めた大事な情報
を、AIに正確に理解させていくのです。
考えてみてください。人間の部下に仕事を任せるときも、同じことやりますよね?
「ここでは、こういう論点を入れてくれよ」 「あの市の上位計画とのリンクを忘れずに」 「うちの強みである〇〇は、ここで強調してほしい」
普段、部下や書き手にこうした指示を出しているはずです。AIへの依頼も、まったく同じ。 質問→回答のキャッチボールを通じて、自社カラーを文章にしっかり染み込ませていきましょう。
そして、ここがAIならではの「楽なポイント」もお伝えしておきます。
質問への回答や追加情報を伝えるとき、文章の体裁は一切気にしなくてOKです。 徒然なるままに、頭に浮かんだことを箇条書きでも単語でも、どんどんポン出しで伝えてください。文章としての整理・再構成はAIが得意中の得意分野です。
人間の部下相手だと、ある程度こちらでまとめてから渡しますよね。AIにはその気遣いは不要。**生のアイデアを生のまま投げ込めばいい。**ここはAIに任せるべきポイントです。
出来上がったファーストドラフトと、その手応え
このサイクルを(ア)から(カ)まで繰り返して、出来上がったのがファーストドラフトです。
実際の成果物はこちらからご覧ください。
📄 千代田区立図書館 事業計画書ファーストドラフト全文(Google Docs)
率直に、いかがでしょうか。
応募要項を見てから、ここまで到達するのに半日。
もちろん完璧ではありません。 前述の通り、説明会の追加情報も、Q&Aの反映も、収支計画の前提条件も、まだ盛り込まれていません。
ですが、説明会参加前にこのレベルまで仕上がっていれば、
- 案件理解は十分すぎるほど深まっている
- 現地視察での確認ポイントが明確になっている
- JV相手やチーム内へのドキュメント共有も即座にできる
つまり、競合他社に対して、ほぼスタートダッシュで何歩もリードできている状態です。
AIを使えば、こんなスピード感と質で公募に臨めます。 以前なら考えられないレベルです。 正直、ほんとに恐ろしい時代になったな、と感じています。
これを使っているチームと、使っていないチーム。 そこで生まれる差が、どれほど大きなものか──ご想像いただけたのではないでしょうか。
それでも見えた「壁」──5館一括運営という、業界最大級の難所
とはいえ、今回のドラフトを書き上げる中で、現段階のAIではまだ追いつききれていない課題もはっきり見えてきました。せっかくなので、率直に共有します。
それが、「5館同時運営」という複数施設案件ならではの、提案の網羅性の壁です。
千代田区立図書館の公募は、
- 千代田図書館
- 日比谷図書文化館
- 四番町図書館
- 昌平まちかど図書館
- 神田まちかど図書館
の5館を、一つのコンソーシアムでまとめて運営するという、業界でも最大級の複雑性を持つ案件です。
この種の案件で求められるのは、
- 5館共通として打ち出す事業計画(運営方針、品質管理、人材育成など)
- 各館固有として打ち出す事業計画(立地特性、利用者層、地域連携、固有施策など)
この2層構造を、一つの事業計画書の中で過不足なく、かつ重複なく表現することです。
ところが、現段階のAIに丸投げで書かせると、
- 共通施策はそれなりに書けるが、各館固有の論点の網羅性が甘くなる
- 構成として「共通の話」と「各館の話」がきれいに整理されない
- 結果として、「結局この会社、各館のことどこまで本気で考えてるの?」という印象を与えかねない
という弱点が出てきます。
これはAIだけの問題ではなく、各館固有の情報をどこまで足を使って拾い上げてくるかという、人間側の現場力にかかる部分も大きいです。とはいえ、構成面でも改善の余地は大いにあるので、本番提出に向けてはプロンプト自体の見直しも必要だと感じています。
さすがは業界最大級の案件。一筋縄ではいきません。
ただ、ここで申し上げたいのはこういうことです。
複数施設の同時運営案件は、指定管理事業者にとって最も労力を消耗する、悩み多き案件です。
だからこそ、この最難関の領域でAIを使いこなして高いアウトプットを出せる方法論を、**この連載を通じて必ず確立してみせます。**本番提出までの間に、構成・プロンプト・情報収集設計を磨き込み、改めてこのサイトでお伝えしていきます。
そして何より、こうやってファーストドラフトを早めに書き上げているからこそ、こうした課題が事前に見えてきたわけです。
「最終提出が迫ってから課題に気づく」のと、「ファーストドラフトの段階で課題が見える」のとでは、改善に使える時間が桁違いです。
──やはり、ファーストドラフトを即座に書き上げておくことの効果は、想像以上に大きい。 今回、改めてそう確信しました。
おわりに──2026年シーズンは、もう目の前です
2026年の本格的な指定管理シーズンが始まる前の、いまこのタイミング。
まだ、十分に間に合います。
「説明会の前に、ファーストドラフトを書き上げる」 かつては不可能だったこの動き方が、AIによって誰にでも実行可能な「新しい常識」になりつつあります。やる人とやらない人で、勝率が露骨に分かれる時代です。
そして、5館同時運営のような複数施設の最難関案件であっても、ファーストドラフトを早く書き上げる→課題を早く見つける→本番までに磨き込むというサイクルを回せれば、AIは必ず強力な武器になります。
ぜひ、本サイトをご登録いただき、最新の公募情報とAI活用ノウハウを継続的にキャッチアップしてください。
次回は、説明会の追加資料や質問回答が出そろい次第、いよいよ収支計画書編をお届けする予定です。指定管理事業者にとって最も神経を使う「お金まわり」を、AIとどこまで詰めていけるのか。お楽しみに。
それでは、また。
追伸
全国の指定管理公募情報とAIを活用した事業計画書Tipsを日本中にお届け。 指定管理者制度AI Proプランの詳細はこちらから。 指定管理者・PFI事業者の皆さまのご登録をお待ちしております。

指定管理者制度に携わる皆様の業務効率化と採択率向上をサポートする記事をお届けしています。
ヤマザキは2004年から大学で指定管理者制度を研究し、
2010年からの10年間は、指定管理/PFI/PPPのコンペや運営現場の最前線に立ち続けてきました。
その後はスタートアップとの協業や出資、ハッカソンも数多く主催。「現場」と「未来」双方の知見を活かした情報発信を行っています。
その経験をもとにした本サービス「指定管理者制度AI」では、実際にAIを活用した提案書・企画書作成サービスを展開。 豊富な採択事例データベースと高度な自然言語処理技術により、要点整理から文書構成の最適化まで包括的にサポートします。
自治体要件の読み取り、競合分析、予算計画の策定など、指定管理者応募に必要な業務を効率化し、 質の高い提案資料を短時間で作成できる専門AIツールを提供しています。