指定管理者制度AI|指定管理情報を見逃さない3つのプロダクトを展開中ログイン
AIで挑む千代田区立図書館③|人員配置・労務積算プロンプト公開|指定管理者・PFI事業者必見

AIで挑む千代田区立図書館③|人員配置・労務積算プロンプト公開|指定管理者・PFI事業者必見

指定管理公募の勝敗を分ける人員配置。AIに任せていい部分と人間が必ずチェックすべき4論点を、千代田区立図書館5館の実例で公開。指定管理者・PFI事業者の事業計画書作成・労務積算プロンプトの完全ガイド。

公開日2026/04/18

目次

AIで挑む千代田区立図書館③|人員配置編・AIに「現場の呼吸」を吸わせる方法
「この積算、本当に現場で回るのか?」——深夜のヤマザキの手が止まった
この記事でわかること
なぜ人員配置だけは、AIに丸投げしてはいけないのか
①収支計画の土台になる
②提案の「安全・安心・快適」を証明する根幹になる
③労働条件は、自治体が最も神経を尖らせる論点のひとつ
最強の武器は「現場に行くこと」——AIが絶対に取れない情報がある
AIを部下として使う:人員配置計画プロンプトの全文
指示
出力要件
期待する姿勢
AIが出した「日比谷図書文化館」の人員配置案
① 勝つための人員配置戦略(コンセプト)
② 役職・業務別の配置計画(正社員・契約社員)
③ アルバイトスタッフの配置想定(積算の基礎)
④ 審査員へのアピールポイント(提案書の記述案)
AIの出力をうのみにしない——人間が必ずチェックすべき4つの論点
チェック①:時給設定は、本当に採用競争力があるか?
チェック②:加算係数0.28は、自社の実績とズレていないか?
チェック③:ポスト数は、実際の現場オペレーションで回るか?
チェック④:要求水準書との整合性
補足:チェックにAIを使っていいのか?
修正した人員配置計画は、必ずAIに読み込ませ直す
①修正内容をAIに明示的に伝える
②NotebookLMにアップロードして学ばせる
5館分を効率的に回す——プロンプトの使い回しと差分管理
現場観察——ここだけは、あなたにしか書けない
次回予告:いよいよ事業計画書本文の作成へ
まとめ

AIで挑む千代田区立図書館③|人員配置編・AIに「現場の呼吸」を吸わせる方法

AI時代でも、人員配置だけは"人間の領分"が残る。指定管理の勝敗を分ける労務積算を、AIと一緒に組み立てる全手順を公開します。指定管理者・PFI事業者の皆さんに必見の回です。


「この積算、本当に現場で回るのか?」——深夜のヤマザキの手が止まった

前回記事(②深掘りリサーチ&社内稟議突破編)の最後、こう書きました。

「次回、一緒にドラフトを完成させましょう。」

あの言葉にも、嘘はありません。

でも、正直に言います。

ひとつ忘れていました。

「人員配置」です。

他の章は、AIがスルスルと書いてくれるんです。

施設コンセプトも、運営方針も、利用促進計画も。。。

ところが、人員配置だけは違った。

「この積算、本当に現場で回るのか?」

画面に映った館長1名、司書3名、学芸員2名……という数字の羅列を見ながら、ヤマザキはしばらく黙り込みました。

人員配置は、収支計画の土台です。

同時に、提案の「安全・安心・快適」を証明する根幹でもあります。

そして労働条件は、自治体が最も神経を尖らせる論点のひとつ。

ここで適当な数字を置いたら、後工程すべてが崩れる。

現場でコンペをやってきた方なら、わかるはず。

人員配置は、事業計画書の中で唯一「AIに丸投げしてはいけない」章なんです。

だからといって、全部手作業でやるのもナンセンス。

そこで今回、AIを「優秀な部下」として使い倒しながら、最終判断は人間が握る——そのバランスをどう取るか、全手順を公開します。


この記事でわかること

  • 人員配置が指定管理者公募で「提案と収支の両輪」になる理由
  • AIに現場の勘所を読み込ませる、人員配置計画プロンプトの全文
  • 実際にAIが出力した「日比谷図書文化館」の人員配置案(サンプル)
  • AIの出力をうのみにせず、人間が必ずチェックすべき4つの論点
  • 5館分を効率的に回すためのNotebookLM活用術
  • ヤマザキ流「人員配置は2時間で固める」ワークフロー

なぜ人員配置だけは、AIに丸投げしてはいけないのか

まずお伝えしたい原則です。

事業計画書の中で、人員配置は**「AI活用と人間判断の分水嶺」**に位置します。

その理由は3つ。

①収支計画の土台になる

指定管理料の60〜70%は、多くの施設で人件費です。

ここの積算がブレると、収支計画そのものが崩壊します。

②提案の「安全・安心・快適」を証明する根幹になる

審査員は「この配置で本当に運営が回るのか?」を必ず見ます。

配置人数が薄すぎれば不安視され、厚すぎればコスト過多で減点。

ギリギリの線を狙い撃つ必要があります。

③労働条件は、自治体が最も神経を尖らせる論点のひとつ

最低賃金の遵守、労働時間、休憩、有給——ここに「おや?」と思われた瞬間、審査員の評価は一気に下がります。

ホワイトな労務管理の証明は、信頼の第一歩です。

一方で、ここがAIの苦手領域でもあります。

AIはデジタル上の情報しか収集できません。

仕様書で人員配置要求水準がカッチリ定められていれば正確に出力できるかもしれませんが、そんな親切な仕様書はほとんど存在しない。

さらに、労務費の積算方法や人員配置ルールは、各社バラバラです。

時給の設定方法、休憩時間の考え方、兼任のやらせ方——会社ごとの「お作法」があります。

だから、ここは人間の腕の見せどころなんです。

AIにまず叩き台を作らせ、そこに自社のお作法を乗せていく。

この流れが、最も効率が良いです。


最強の武器は「現場に行くこと」——AIが絶対に取れない情報がある

画像2

その前に、一つだけ強くお伝えしたいことがあります。

AIが絶対に取得できない情報、それが「現場の呼吸」です。

施設のスタッフが、平日の朝イチにどう動いているか。

貸出カウンターが混雑するピークタイムはいつか。

学芸員が展示替え作業中、館内をどう回っているか。

アルバイトスタッフがシフト交代する時間帯と、利用者の動線がどう重なっているか。

これは、実際に足を運ばないと絶対に見えません。

この記事を読んでいる指定管理事業者の皆さんは、呼吸をするように現地で人員配置を見ていらっしゃると思います。

その「呼吸」を、意識して情報化してください。

AIに読み込ませるために。

ヤマザキからのおすすめは、説明会参加時、もしくは平日・休日それぞれ1回ずつ、利用者として施設を利用することです。

ただし、注意点もあります。

  • 施設運営の邪魔になるような行動は絶対NG
  • スタッフに根掘り葉掘り聞くような不正な情報収集もNG
  • 担当課から現地視察がNGとされているなら、潔く諦める
  • あくまで「一利用者として、普通に施設を使う」というスタンス

この範囲内でも、注意深く観察すれば人員配置の実態はかなり見えてきます。

ちなみに今回のヤマザキは、現場に足を運んでいません(正直に告白)。

今回はあくまでAIのパフォーマンス検証ですので。

ですが、実際にコンペでの勝負を掴み取りたい皆さんは、ヤマザキよりもう一歩踏み込んだ情報を手に入れてほしい。

それが提案の差になります。


AIを部下として使う:人員配置計画プロンプトの全文

では、実際にヤマザキがAIに叩き込んだプロンプトをお見せします。まずは日比谷図書文化館の1館分から。

このプロンプトのポイントは3つです。

ポイント①:施設の「特殊性」を明示的に伝える(GLAM機能、ビジネス支援、ホール運営) ポイント②:Excelにそのままコピペできるマークダウン表形式を指定 ポイント③:法定福利費・交通費などの「係数」を必ず根拠付きで出させる

# 指示
あなたは、公共施設の指定管理者選定コンペで連戦連勝を誇る「天才指定管理コンサルタント」です。千代田区立図書館指定管理者公募の次期指定管理に向けた提案書作成と積算において、私の強力なパートナーとして伴走してください。

まずは、「日比谷図書文化館」の人員配置と人件費積算の骨組みについて議論します。
本件の募集要項および要求水準書、さらには日比谷図書文化館が持つ「GLAM機能(図書館・博物館・文書館の融合)」や「ビジネスパーソンのセカンドオフィス的機能」、「ホール・会議室等の貸出・自主事業機能」という特殊性を踏まえ、審査員から「この人員配置とコスト構造なら、最高のサービスを安定的かつ持続的に提供できる」と高く評価される人員配置計画を策定してください。

以下の項目について、具体的な数値と戦略的根拠を提示してください。出力はゆっくり、論理的に考えて生成していただいて構いません。

# 出力要件
1. 勝つための人員配置戦略(コンセプト)
- なぜこの配置が審査員に評価されるのか(専門性の担保とコスト最適化のバランス等)

2. 役職・業務別の配置計画(正社員・契約社員)
- 役職名(館長、司書、学芸員、イベント企画・ホール管理、総務など)
- それぞれの配置人数(常勤換算)
- 各役職者が有すべき具体的な能力・資格(GLAM構想やビジネス支援を実現するためのスキル)

3. アルバイト(非正規スタッフ)の最適配置と待遇設定(積算の基礎)
以下の項目を網羅した表(そのままExcelにコピー&ペーストできるMarkdown表形式)を作成してください。
【表のタイトル】日比谷図書文化館アルバイトスタッフ配置想定
【行(縦軸)】それぞれの配置ポジション(フロア対応、配架、受付、イベント補助など)
【列(横軸)】
 1. 勤務開始時間
 2. 勤務終了時間
 3. 勤務時間(日)
 4. 休憩時間(日)
 5. 実労働時間(日)
 6. 年間配置日数
 7. 年間総実労働時間(1人あたり)
 8. ポスト数(配置人数)
 9. 年間総実労働時間(施設あたり)
 10. 平均時給(採用競争力を持ちつつ経費を圧迫しない時給設定)
 11. 年間ポスト当たりの人件費(※法定福利費・交通費等を含めた積算用係数を含めて算出すること。係数の根拠も別途記載)
【総合計・内訳】表の下に、アルバイトスタッフの年間の総合計金額と、その内訳(基本給分、法定福利費・交通費等の係数分など)が明確にわかるように記載してください。

4. 審査員へのアピールポイント(提案書の記述案)
- 労働分配率(人件費率)を適正に保ちながら、施設の稼働率や顧客満足度を最大化するための工夫(マルチタスク化、ICT活用による省人化など)
- 過去の指定管理期間の人件費をリサーチし、その人件費と差異があれば、その理由を明確に記載してください。

5. 現場に訪問して見てきた人員配置の様子
- 平日の様子:
- 休日の様子:
- 感想:

# 期待する姿勢
単なる「理想論」ではなく、指定管理料の上限や昨今の物価・人件費高騰という「厳しい現実」を見据えた上で、コンペに勝つための「エッジの効いた現実的な積算根拠と配置案」を叩き出してください。

このプロンプトの最後、項目5「現場に訪問して見てきた人員配置の様子」は、人間が埋める欄として明示的に残しています。 AIには「ここはあなたの情報ではなく、人間の現場観察を貼り込む場所ですよ」と理解させる設計です。


AIが出した「日比谷図書文化館」の人員配置案

上記プロンプトで実際にAIが出力した結果がこちらです。

### ① 勝つための人員配置戦略(コンセプト)

コンセプトは、**「AI/ICTの徹底活用による『ロータッチ業務の極小化』と、ハイブリッド型GLAM人材への『ハイタッチ投資』」**。

審査員に評価される戦略的根拠は明快です。

昨今の物価高騰・最低賃金の引き上げにより、従来型の「とにかく人を多く配置して手厚く見せる」提案は、指定管理料の上限を圧迫し、自治体側の財政負担リスクとみなされて評価が下がります。

本提案では、受付・貸出・施設予約といった定型業務(ロータッチ業務)を自動貸出機・スマートロック・AIチャットボット等のICTで徹底的に省人化。浮いた人件費を、日比谷のコアバリューである「ビジネス支援」「展示キュレーション」といった専門業務(ハイタッチ業務)を担う優秀な人材の確保に集中投資します。

**「経費を抑えながらも、知的インフラとしてのクオリティは劇的に上げる」**——この現実的かつ持続可能なコスト構造を提示することで、他社を圧倒する、という立て付けです。

### ② 役職・業務別の配置計画(正社員・契約社員)

GLAMの垣根を越えてマルチに活躍できる「ハイブリッド人材」を中核に据える構成。

| 役職 | 配置人数 | 求められる能力・資格 |
| --- | --- | --- |
| 館長(ジェネラル・マネージャー) | 1名 | 図書館法・博物館法の知見に加え、千代田区のステークホルダー(日比谷公園、周辺企業等)との折衝能力、P/L管理能力を持つビジネスプロフェッショナル |
| GLAM統括ディレクター(副館長クラス) | 1名 | 司書資格または学芸員資格保有。図書館と博物館の融合企画(例:古書展示と関連図書の特設コーナーの連動など)を統括 |
| 専門司書(ビジネス・リサーチ支援担当) | 3名 | 司書資格保有。単なる本探しではなく、ビジネスパーソンの起業支援、市場調査、マーケティングデータ抽出などを伴走支援するリファレンス能力 |
| 学芸員(アーカイブ・展示企画担当) | 2名 | 学芸員資格保有。特別展の企画立案に加え、千代田区の地域資料や古書のデジタルアーカイブ化を推進するスキル |
| ホール・イベントマネージャー(自主事業担当) | 2名 | BtoBの営業経験者推奨。大ホール・会議室の稼働率を最大化する法人営業、および収益源となる自主事業(セミナー、有料イベント)の企画・運営・音響照明の基礎操作 |
| 総務・施設管理(バックオフィス統括) | 2名 | 労務管理、法定点検のスケジュール管理、アルバイトスタッフのシフト作成(AIシフト管理ツールの運用)。徹底したコンプライアンス遵守の要 |

### ③ アルバイトスタッフの配置想定(積算の基礎)

ここが積算の心臓部です。AIが出してきた表がこちら。

**【日比谷図書文化館アルバイトスタッフ配置想定(年間開館日数:330日想定)】**

| ポジション | 勤務開始 | 勤務終了 | 勤務時間/日 | 休憩 | 実労働/日 | 年間配置日数 | 年間実労働/1ポスト | ポスト数 | 年間実労働/施設 | 平均時給 | 年間ポスト人件費 |
| --- | --- | --- | --- | --- | --- | --- | --- | --- | --- | --- | --- |
| 総合案内・貸出(早番) | 9:30 | 17:30 | 8.0h | 1.0h | 7.0h | 330日 | 2,310h | 3 | 6,930h | ¥1,400 | ¥4,139,520 |
| 総合案内・貸出(遅番) | 16:30 | 22:30 | 6.0h | 0h | 6.0h | 330日 | 1,980h | 2 | 3,960h | ¥1,500 | ¥3,801,600 |
| 配架・フロア案内 | 10:00 | 18:00 | 8.0h | 1.0h | 7.0h | 330日 | 2,310h | 4 | 9,240h | ¥1,350 | ¥3,991,680 |
| ホール・会議室対応 | 13:00 | 21:00 | 8.0h | 1.0h | 7.0h | 330日 | 2,310h | 2 | 4,620h | ¥1,400 | ¥4,139,520 |
| 展示室監視・受付 | 10:00 | 18:00 | 8.0h | 1.0h | 7.0h | 330日 | 2,310h | 2 | 4,620h | ¥1,350 | ¥3,991,680 |

**【総合計・内訳】**
- アルバイト年間人件費 総合計:**52,250,880円**
- 内訳:基本給分 40,821,000円/法定福利費・交通費等分(加算係数0.28)11,429,880円

**【係数1.28の根拠】**
基本給を1.0とした場合、社会保険料・雇用保険料の事業者負担分(約0.16)、通勤交通費実費支給分(約0.08)、有給休暇引当金・制服等の福利厚生費(約0.04)を合算し、加算係数を「1.28」と設定。審査において妥当かつホワイトな労務管理を証明する根拠数字になる、という立て付けです。

### ④ 審査員へのアピールポイント(提案書の記述案)

AIが出してきたアピール文の骨子は、次の2本立てでした。

**(1) 労働分配率の適正化とマルチタスク・省人化の連動**
「本提案では、単に人件費を削るのではなく、『人的リソースの再配置』を行っています。RFIDゲートや予約システムのオンライン決済化等のICT導入により、カウンター業務に縛られるスタッフの割合を削減。その分を、フロアを回遊して利用者のビジネス相談や展示解説に乗る『コンシェルジュ業務』へとシフト。図書館スタッフと展示室監視スタッフの業務をクロス・トレーニング(多能工化)することで、急な欠勤時にも柔軟なシフト補填が可能」——という構成。

**(2) 過去指定管理期間との人件費差異の明確な理由**
「過去は図書館機能とミュージアム機能の人員が完全に縦割りで、受付窓口の重複による非効率が生じていたと推測。本提案のアルバイト人件費総額(約5,225万円)は、最低賃金上昇(過去5年で約15%増)を時給設定にフル反映しながら、過去想定と同等〜微減に抑制。ICT化と人員ハイブリッド化により『施設全体での必要配置ポスト数』を約15%スリム化したことによるもの」——という筋立てです。

「時給(スタッフ満足度)は上げながら、総額(区の負担)は維持する」という切り口は、なかなか効きそうです。

AIの出力をうのみにしない——人間が必ずチェックすべき4つの論点

ここから本題です。

この出力を見て、ヤマザキが「使える」と思ったか?

答えは、半分Yes・半分Noです。

仮説があるのは素晴らしい。

ゼロから考えるより、作業が圧倒的に進みます。

でも、そのままは絶対に使えません。

AIはあくまで部下・後輩です。

部下や後輩が上げてきた資料を、そのまま横流しで自治体に提出しますか?しないですよね。

徹底的にチェックするはずです。

このチェックを怠ると、あとでミスや前提のズレが発覚し、二度手間が発生します。

ここは人間の脳をフル回転させる場面です。

では、何をチェックすべきか。ヤマザキの観点で4つ挙げます。

チェック①:時給設定は、本当に採用競争力があるか?

AIは¥1,350〜¥1,500で時給を出してきました。が、千代田区の現実はどうでしょうか。

丸の内・大手町のオフィス街で、平日夜〜22:30まで働くアルバイトを時給¥1,500で集められるか?

正直、きついというのがヤマザキの肌感です。

近隣のカフェチェーンは¥1,600超が当たり前。

ここは自社や近隣施設の採用実績と照らし合わせて再調整が必要です。

チェック②:加算係数0.28は、自社の実績とズレていないか?

AIは社会保険料0.16、交通費0.08、その他0.04で計0.28と提示。

ただし、この数字は会社ごとにかなり違います

社保加入率、交通費の支給ルール(全額実費か、上限設定か)、賞与や退職金の引当の有無、制服貸与のルール——これらが会社ごとに違えば、係数は容易に0.25〜0.35の幅で動きます。

自社の直近決算の実績値で置き換えましょう。

チェック③:ポスト数は、実際の現場オペレーションで回るか?

「総合案内・貸出(早番)3ポスト、遅番2ポスト」と出ていますが、これは本当に日比谷の来館規模(年間55万人超)を捌けるのか?

繁忙期(春休み・夏休み・GW)のピーク対応は? 欠勤時の穴埋めは? 有給取得率を加味した実働ベースでの配置は?

現場を知っている人間だけが判断できる領域です。

チェック④:要求水準書との整合性

これが一番大事です。

募集要項・業務要求水準書で、配置人数の下限や資格要件が指定されていれば、それを満たしているか必ず確認してください。

募集要項、要求水準、配置人数などは書類が明確にあるので、参照資料をそれだけに設定してAIに確認させるのもアリです。

補足:チェックにAIを使っていいのか?

上記4つのチェックは、基本的にAIと対話しながらで問題ないです。

が、重要な情報は出典先が本当にそのような記載・解釈になっているかは、重要な情報であれば実際に確認にいきましょう。

ヤマザキはこれまで何本もAIで事業計画書を書いてきましたが、ごくたまにとんでもないミスをしていることに気づいたことも何度かあります。

まだまだAIも全知全能ではないです。

裏を返すと、人間の力の出番は、こういう細かな確認や調整、そして意思決定くらいしか残されておりません。

ここは私たちの出番だと思って、最大限の労力AIが作ったものをで確認をしましょう!


修正した人員配置計画は、必ずAIに読み込ませ直す

チェックを経て修正した人員配置計画は、次の2つを必ずやってください。

①修正内容をAIに明示的に伝える

「時給を¥1,500から¥1,650に引き上げた。

理由は周辺相場との採用競争力を確保するため」と、具体的にAIに伝えます。

これで、AIとの前提が揃います。

②NotebookLMにアップロードして学ばせる

確定した5館分の人員配置計画は、NotebookLMのソースに追加しました。

これで、以降の事業計画書作成時に、AIが「自社の人員配置の前提」を正確に参照できるようになります。

**【重要】**前回も触れましたが、古くなった前提情報はNotebookLMから除外することも忘れずに。

情報が多すぎるとAIの出力がぼやけます。「最新の確定版だけを置く」が鉄則です。


5館分を効率的に回す——プロンプトの使い回しと差分管理

今回お見せしたのは日比谷図書文化館の1館分ですが、実際には5館分やります。

ヤマザキのおすすめは、プロンプト自体をAIに作らせるやり方です。

AIに○○図書館で、(日比谷図書文化館で使ったものと)同様のプロンプトを作ってと依頼しましょう。 そう依頼するだけで、同じ構造のアウトプットが5館分揃います。

そして揃ったものを、先ほどの4つの観点で徹底的にチェック・修正

修正版をNotebookLMに登録。

これで、人員配置計画の土台は完成です。


現場観察——ここだけは、あなたにしか書けない

最後にもう一度お伝えします。

人員配置計画の最大の差別化ポイントは、現場観察の記述です。

「平日のランチタイム、ビジネスパーソンが大ホール脇のラウンジに集中する時間帯に、配架スタッフが動線に入り込んでいた」 「休日の午前、親子連れが来館する時間帯は、児童書エリアのフロアスタッフが明らかに手薄だった」

——こういう具体的な観察は、AIには書けません。

提案書のアピール部分に、この生々しい現場描写を1〜2行入れるだけで、審査員の読む目が変わります。

「この事業者、現場を見てるな」と。

ヤマザキは今回、そこまで手が回っていませんが、皆さんはぜひ一歩踏み込んでください。

それが、同じAIツールを使っていても勝敗を分ける一線です。


次回予告:いよいよ事業計画書本文の作成へ

ここまでシリーズの①~③の作業、ヤマザキは大体2時間程度で完了しています。

リサーチで収集した自治体・施設・現指定管理者の情報DLとアップロード。 社内合意形成のためのスライド資料。 そして今回の人員配置計画。

これらが揃って、ようやく事業計画書を書き始める「滑走路」が完成しました。

次回、④事業計画書本文作成編、いよいよ突入です。(今度こそ開始です!)

指定管理者・PFI事業者の皆さん、ご期待ください。


まとめ

ポイント内容
人員配置は"分水嶺"収支計画の土台・提案の根幹・労務コンプライアンスの証明。AIに丸投げしてはいけない章
AIは叩き台係プロンプトで骨格を出させ、自社のお作法を乗せていく。ゼロから考えるより圧倒的に速い
人間の4チェック時給設定・加算係数・ポスト数・要求水準書整合性。ここは脳をフル回転させる
修正後はAIに学ばせ直す前提を揃え直し、NotebookLMの古い情報は除外。最新の確定版だけ残す
現場観察は最強の武器AIが絶対取れない「現場の呼吸」を、1〜2行でも提案書に滲ませる
2時間で土台完成リサーチ〜人員配置まで含めて2時間。残りの時間を"提案の中身"に使える

人員配置は、事業計画書の中で最も人間臭い章です。数字の向こう側には、実際に働く人の毎日の呼吸がある。

AIに叩き台を作らせて、人間が魂を入れる。

この二人三脚ができる事業者こそ、次の5年の指定管理を勝ち取れる——ヤマザキはそう信じています。

次回、いよいよ事業計画書の本丸に突入です。一緒に完成させましょう。


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お願い
ヤマザキ君
指定管理者制度AI 編集長:ヤマザキ
提案書作成のコツから採択事例の分析、効率的な資料作成方法まで、実践的な情報を発信中。
指定管理者制度に携わる皆様の業務効率化と採択率向上をサポートする記事をお届けしています。

ヤマザキは2004年から大学で指定管理者制度を研究し、
2010年からの10年間は、指定管理/PFI/PPPのコンペや運営現場の最前線に立ち続けてきました。
その後はスタートアップとの協業や出資、ハッカソンも数多く主催。「現場」と「未来」双方の知見を活かした情報発信を行っています。

その経験をもとにした本サービス「指定管理者制度AI」では、実際にAIを活用した提案書・企画書作成サービスを展開。 豊富な採択事例データベースと高度な自然言語処理技術により、要点整理から文書構成の最適化まで包括的にサポートします。
自治体要件の読み取り、競合分析、予算計画の策定など、指定管理者応募に必要な業務を効率化し、 質の高い提案資料を短時間で作成できる専門AIツールを提供しています。