
【AI IQ解説】GPT-5.5は「136」でも鵜呑み禁物。指定管理者・PFI事業者が極めるべき一台とは
話題の「AI IQ」をやさしく解説。GPT-5.5はIQ136、Opus 4.7は132。でも数字は測り方で激変します。指定管理者・PFI事業者が乗り換えより「一台を極める」べき理由と、ニュースを営業トークに変えるコツを編集長ヤマザキが語ります。
公開日2026/05/31
目次
AIに「IQ136」の時代がきた。でも、指定管理者の私たちが本当に見るべきはそこじゃない── ランキングは楽しもう。でも、勝負を分けるのは「一台のAIを極める」ことです
指定管理者・PFI事業者のみなさん、こんにちは。編集長のヤマザキです。
先日、あるニュースを見て、思わずスマホを置いて天井を見上げてしまいました。
「AIに、IQがついた」
GPT-5.5はIQ「136」。 Claude Opus 4.7は「132」。
……正直、最初に見たときの私の感想は、こうです。
「いや、私より頭いい!!」
笑ってしまいますよね。でも、笑ったあとに、ふと不安がよぎった方もいるんじゃないでしょうか。
「うちの事業計画書、AIに書かれる日が来るのか?」 「営業先で『おたく、まだAI使ってないんですか?』って言われたら、なんて返せばいいんだ……」
40代、50代で現場を回してきた私たちにとって、こういうニュースは「すごいな」と「怖いな」が同時に押し寄せてきます。
わかります。私もそうでした。
でも今日は、断言します。 このニュース、正しく読めば、まったく怖くありません。むしろ、現場を知る私たちにとってはチャンスです。
順番に、いきましょう。
この記事でわかること
- 話題の「AI IQ」って、結局なんなのか(むずかしい言葉ナシで解説します)
- IQ「136」という数字を、どこまで信じていいのか(ここ、めちゃくちゃ大事です)
- ランキング上位のAIに、わざわざ乗り換えるべきなのか
- 指定管理者・PFI事業者が、明日から取るべき「たった一つの戦略」
- このニュースを「営業トーク」に変える方法
そもそも「AI IQ」って、なんなんですか?
結論から言います。
「AI IQ」とは、たくさんあるAIの賢さテストの点数を、人間のIQという“ひとつのものさし”にまとめて見せてくれるサイトのことです。
2026年5月、ライアン・シェイさんというエンジニアの起業家が公開しました。
なぜこれが話題になったのか。理由はシンプルです。 これまでAIの性能を比べようとすると、専門用語だらけの点数表とにらめっこする必要がありました。 ARC-AGIだの、FrontierMathだの、SWE-benchだの……。正直、私たちには「で、結局どれが賢いの?」がさっぱりわからなかったんです。
そこにこの「AI IQ」が登場しました。 12種類の難しいテストの結果を、人間にもおなじみの「IQ」という数字に変換してくれた。 だから、こんなに話題になっているわけです。
下の図を見ると、まさに学校の身体測定みたいに、AIたちがIQの分布曲線の上にずらりと並んでいます。 右に行くほど賢い。一番右にいるのが「gpt-5.5」、それを「gpt-5.4」「gemini-3.1-pro」「opus-4.7」が追いかける構図です。
なんだかワクワクしますよね。AI界の「全国模試の順位表」みたいなものです。
ここが本題です。「IQ136」を、鵜呑みにしてはいけません
さて、ここからが今日いちばんお伝えしたいことです。
私たち事業計画書のプロは、数字を扱う仕事です。だからこそ、知っておいてほしい。
この「IQ136」という数字、実は前提条件しだいで、まったく違う顔を見せます。
ある検証サイトが、面白い実験をしました。
ネット上に公開されている既存のIQテストを解かせたら、GPT-5.5は「140超え」の高得点。さすが、と言いたくなります。
ところが──。 学習データに一切含まれない、完全に非公開のテストを解かせたら、同じGPT-5.5のスコアが「70付近」まで落ちたんです。
140が、70に。
これ、何が起きているか。 たとえるなら、過去問を丸暗記して模試で満点を取った受験生が、本番でまったく見たことのない問題を出されて固まってしまう──そんなイメージです。
AIは「見たことのある問題」には驚くほど強い。でも「初めて見る問題」になると、急に弱くなることがある。
ちなみに、同じ非公開テストで、Claude Opus 4.7は「118」を記録しました。
つまり何が言いたいか。 AIのランキングは、測り方ひとつで順位がひっくり返る。だから「一番上のAIが、自分の仕事に一番役立つAI」とは限らない、ということです。
ランキングを開発した本人も、こう認めています。
能力を単一の数字にまとめる手法には「実態を誤解させる危うさがある」と批判が出ている、と。専門家でさえ、慎重なんです。
では、私たちはどうすればいいのか
結論を言います。
会社で使っているAIを、一台、とことん極めましょう。
これに尽きます。
「えっ、せっかくランキングがあるのに、上位に乗り換えなくていいの?」 そう思いますよね。でも、考えてみてください。
私たちが事業計画書を書くとき、本当に必要なのは「IQ140の天才」でしょうか。 違います。 うちの施設のことを、毎回ちゃんとわかってくれる相棒ではないでしょうか。
毎回ちがうAIに乗り換えていたら、どうなるか。 そのたびに、施設の前提を一から説明し直し、クセを探り直し、使い方を覚え直す。
これでは、いつまでたっても積み上がりません。料理人が毎日ちがう包丁に持ち替えていたら、いつまでも切れ味を出せないのと同じです。
一台に決めて、使い込む。 そのAIがどこから情報を取ってくるのか、どう指示すれば狙った答えが返ってくるのか。
細かい使い方を、ひとつずつ自分のものにしていく。
これが、いちばん地味で、いちばん強い戦略です。
具体的には、こうです。
Google Workspaceをお使いの会社なら──仕事中はGeminiを信じて突き進んでOKです。 資料も、メールも、スプレッドシートも、ぜんぶ同じ畑の中にある。連携の強さは、乗り換えでは手に入りません。
会社でChatGPTやClaudeが標準なら──まずはそれを骨の髄まで使い倒す。
プログラミングをやりたいとか、プライベートでちょっと特殊なことに挑戦したいとか。 そういうときだけ、得意・不得意に合わせて別のAIを試してみる。それくらいの距離感で、ちょうどいいんです。
ランキングは「エンタメ」として、思いっきり楽しもう
ここまで「鵜呑みにするな」「乗り換えるな」と固いことを言ってきました。
でも、誤解しないでください。 ランキングそのものは、最高におもしろいです。
AI界の天下一武道会みたいなものです。GPTが首位を取れば、翌週にはGeminiが抜き返す。 中国勢のDeepSeekやKimiが猛追する。この熱いデッドヒートを、ニュースとして眺めるのは純粋に楽しい。
そして、ここからが営業マンとしての裏ワザです。
気になったAIがあったら、ちょっと触ってみる。できれば課金して、中までのぞいてみる。
これ、自己投資としてめちゃくちゃ効きます。 理由は二つ。
ひとつは、AIへの理解が一段深まること。 「あのAIはこういうクセがあるんだな」と肌で知っていると、自分のメインAIの良さも、逆に欠点も、くっきり見えてきます。
もうひとつは──そのまま営業トークになること。 決裁者との雑談で「最近GPT-5.5がIQ136で話題ですよね。うちでも比較してみたんですが、実務だと意外に──」 なんて言えたら、それだけで「この人、ちゃんと最前線を見てるな」と一目置かれます。
知識は、現場の信頼に変わります。AIの話題は、いまや最強のアイスブレイクなんです。
まとめ ── 派手な数字に踊らされず、自分の一台を磨こう
長くなりました。最後に、今日の要点を整理します。
- 「AI IQ」は、AIの賢さを人間のIQに換算して見せる話題のサイト。GPT-5.5が136、Opus 4.7が132と報じられた
- ただしこの数字は測り方しだいで激変する。非公開テストではGPT-5.5が70まで落ちた例もある。鵜呑みは禁物
- だから「一番上のAI」に飛びつく必要はない。会社で使う一台を、とことん極めるのが最強
- Google Workspace派はGeminiを信じて突き進めばOK。特殊なことだけ別AIを試す距離感でちょうどいい
- ランキングはエンタメとして楽しみ、気になったら課金して触る。学びにも、営業トークにもなる
AIがどれだけ賢くなっても、施設に足を運び、利用者の声を聞き、地域の課題を肌で感じてこられるのは、私たち人間だけです。IQ136のAIにも、それはできません。
派手なランキングの数字に、心をざわつかせる必要はありません。 私たちがやるべきことは、いつだってシンプルです。
自分の相棒を一台決めて、毎日ちょっとずつ、強くする。
その積み重ねが、半年後、一年後に、ライバルとの決定的な差になります。 さあ、今日もいっしょに、目の前の一台を磨いていきましょう。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
編集長 ヤマザキ
参考リンク

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ヤマザキは2004年から大学で指定管理者制度を研究し、
2010年からの10年間は、指定管理/PFI/PPPのコンペや運営現場の最前線に立ち続けてきました。
その後はスタートアップとの協業や出資、ハッカソンも数多く主催。「現場」と「未来」双方の知見を活かした情報発信を行っています。
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