
【編集長ヤマザキが多用したプロンプト5選-その⑤】AIに「本気」を出させる魔法の一言
事業計画書をAIに作らせたら「なんか浅い…」と感じたことありませんか?実はAIが本気を出していないだけ。「時間をいくらかけても良いので、品質を優先して」というたった一言を加えるだけで、出力が"学生レベル"から"プロの仕事"に激変します。指定管理者の応募書類や重要なプレゼン資料で使える、編集長ヤマザキ多用プロンプト5選の最終回。
公開日2026/01/07
目次
「うーん、悪くないんだけど、なんか浅いんだよなぁ…」
事業計画書の叩き台をAIに作ってもらったとき、こんな風に感じたことありませんか?
パッと見は整っている。 体裁も悪くない。 でも、どこか「手抜き感」がある。
実は、それ。 AIが本気を出していないだけなんです。
「いやいや、AIに本気も手抜きもないでしょ」って思いますよね。 でも、あるんです。
今回ご紹介するたった一言のプロンプトを加えるだけで、AIの出力が"学生のアイデアコンテストレベル"から"プロの仕事"に化けます。
🎯この記事でわかること
- AIが「早く答えよう」としてしまう本当の理由
- 指定管理者の事業計画書でAIの本気を引き出す方法
- リサーチ機能との使い分け
- 辞書登録しておくべき最強の一言プロンプト
- 複雑な背景やデータを丁寧に扱ってもらうコツ
🏆5選の最後は、「時間をいくらかけても良いので、品質を優先して」
さて、これまで4つのプロンプトをご紹介してきましたが、いよいよ最終回。
編集長ヤマザキが最も多用しているプロンプト、それがこちらです。
「時間をいくらかけても良いので、品質を優先して」
「え、それだけ?」って思いました?
はい、それだけなんです。
でも、これがとんでもない威力を発揮します。
🔓AIのリミッターを解除する、という発想
このプロンプトは、AIの能力制限を解除するためのものなんです。
どういうことか。
実は、AIには「ユーザーを待たせないようにする」という癖があります。 早く回答しよう、早く答えを出そう、という無意識の縛りがかかっているんですね。
これ、普段の質問には便利です。 サクサク答えが返ってくるから。
でも、深く考える仕事においては、この癖が足かせになる。
事業計画書の作成。 プレゼン資料の構成。 応募書類の戦略設計。
こういう「絶対に外せない仕事」では、早さよりも質が求められますよね。
そこで、このプロンプトで焦らなくていい、待つから本気を出していいよと許可を与えてあげるわけです。
📊実際に試してみた|指定管理者の事業計画書で比較
わかりやすく比較してみましょう。
今回は、指定管理者らしいお題で試します。
「人口20万人の地方都市における地域の文化施設の指定管理者として、Z世代の利用を増やすための戦略を考えて」
まずは、何も指示せず普通に聞いてみます。
【通常版】AIの回答
人口20万人の地方都市における文化施設の指定管理者として、Z世代(10代後半〜20代)をターゲットにした戦略を提案します。
Z世代は「デジタルネイティブ」であると同時に、「タイパ(タイムパフォーマンス)」「共創(自分たちが参加する余白)」「エモさ(独自の体験と情緒)」を重視する傾向があります。これらを踏まえ、ハード・ソフト・情報発信の3つの側面から戦略を立てます。
1. 施設の「サードプレイス」化(居場所づくり)
単なる「鑑賞・練習の場」から、日常的に滞在したくなる場所にアップデートします。
- 「映え」と「実用」を兼ね備えた自習・ワークスペースの開放
- 「撮影許可エリア」の設置
- 夜間利用の促進(ナイトタイム・エコノミー)
2. 「共創型」のコンテンツ開発(参加の余白)
「見せる側」と「見る側」の壁を取り払い、彼らが主役になれる仕組みを作ります。
- Z世代プロデューサー・チームの結成
- 「スキマ」のデザイン(不完全さの魅力)
- タイパを意識した「ショート体験」
3. SNS特化型の情報発信とマーケティング
- 「物語」を語るTikTok/Instagramリール
- インフルエンサーではなく「ローカル・コミュニティ」との連携
- デジタル・スタンプラリーや限定NFTの配布
うん、悪くないですよね。
「タイパ」「共創」「エモさ」とか、Z世代の特性も押さえている。 「サードプレイス化」なんて、いかにも今っぽいコンセプトです。
これで応募書類を書いちゃう人、いると思います。
でも、ちょっと待ってください。
では次に、「時間をいくらかけても良いので、品質を優先して」を加えてみます。
【本気版】AIの回答
人口20万人の地方都市における文化施設(市民会館、図書館、美術館等)は、往々にして「中高年の社交場」となりがちです。Z世代(現在おおよそ12歳〜27歳)を取り込むには、従来の「鑑賞する場所」という定義を、彼らの価値観である「自己表現」「タイパ(タイムパフォーマンス)」「共感とつながり」に最適化させる必要があります。
指定管理者として取り組むべき、具体的かつ戦略的な施策を4つの柱で提案します。
1. 空間の「サードプレイス」化とインフラ整備
Z世代にとって、施設を訪れる最大の動機は「目的(鑑賞)のため」ではなく「居心地の良い居場所(滞在)」のためです。
■ 「映え」と「機能」を両立したコワーキング・自習エリア
- 単なる会議室ではなく、電源・高速Wi-Fi完備、かつデザイン性の高い家具を配置したオープンスペースを設置
- 戦略: 「図書館は静かに」というルールを一部緩和し、会話可能な「クリエイティブ・ゾーン」を設けることで、グループワークや動画編集を行う若者を呼び込みます
■ 撮影・配信スタジオの設置
- 施設内の空きスペースに、本格的な照明や背景布を備えた「SNS撮影スタジオ」や「Podcast収録ブース」を設置
- 狙い: 地方都市には少ない「質の高い発信拠点」を提供することで、地域のインフルエンサー予備軍を囲い込みます
2. 「参加型・共創型」コンテンツへの転換
「完成されたものを見る」受動的なスタイルから、自分たちが関与できる「能動的」な企画へシフトします。
■ Z世代プロデューサー制度の導入
- 地元の高校生や大学生を「アンバサダー」や「企画運営メンバー」として公募
- 予算の一部を彼らに委託し、彼らが本当に見たいイベントを自ら企画・運営してもらいます
- 効果: ターゲットと同じ目線でのプロモーションが可能になり、当事者意識(自分たちの場所である感覚)が醸成されます
■ 「プロセス」を見せる体験型ワークショップ
- 伝統芸能やアートの裏側(楽屋裏、修復作業、練習風景)を公開
- 戦略: TikTokやInstagramのリールで「思わず撮りたくなる」瞬間(ASMR的な音、職人の技)を切り取れる仕掛けを作ります
3. デジタルネイティブに最適化した情報設計
紙のチラシや従来のHPでは、Z世代には一切届きません。
■ 「スマホ完結」のユーザー体験
- 施設の予約、チケット購入、スマートロックによる入館管理をすべてLINE公式アカウントやアプリで完結させます
■ SNSの「縦型動画」特化運用
- 施設の魅力を伝える15秒のショート動画を毎日配信
- 「施設職員の裏側」や「今日の空き状況」など、属人性の高い(親近感の湧く)発信を優先します
■ デジタル・デトックスの逆提案
- あえて「スマホを置いて集中できる空間」としての価値も提案
- デジタル疲れを感じている層に対し、「静寂」をコンテンツとして提供します
4. ライフスタイルへの食い込み(産学連携・地域連携)
文化施設単体ではなく、街全体のハブとしての機能を強化します。
■ 学割を越えた「U-25限定サブスク」
- 月額500円〜1,000円程度で、施設内のカフェ割引、有料イベントの優先予約、コワーキングスペース使い放題などをパッケージ化
■ 「地元の強み」との掛け合わせ
- 例:地元のカフェやアパレルショップとコラボした「ポップアップストア」をエントランスで開催
- 狙い: 「文化施設に行く」というハードルを下げ、「好きな店がそこにあるから行く」という動線を作ります
戦略ロードマップ(短期・中期)
| 期間 | 施策内容 | 期待される成果 |
|---|---|---|
| 短期(1-3ヶ月) | Wi-Fi強化・電源設置、SNS運用の属人化 | 滞在時間の増加、認知度の向上 |
| 中期(4-12ヶ月) | Z世代アンバサダー発足、特定エリアの改装 | 企画への参画、リピーターの獲得 |
| 長期(1年以降) | サブスク導入、地域ブランドとの定例コラボ | 「若者の拠点」としてのブランディング確立 |
指定管理者としての視点
Z世代の利用増は、単なる入場者数の増加に留まりません。彼らがSNSで発信することで、「活気のある街・施設」というイメージが全世代に波及し、結果として指定管理業務の評価(KPI)向上、および次期更新時の強力な武器となります。
まずは、現地のZ世代(高校生・大学生)へのヒアリング調査から始めてみてはいかがでしょうか?
😲この差、伝わりますか?
通常版も悪くはなかったんです。 Z世代のキーワードも押さえていたし。
でも本気版は、
- 「中高年の社交場」という現状認識から始まる
- 施策ごとに「戦略」「狙い」「効果」が明記されている
- 具体的な金額設定(月額500〜1,000円のサブスク)
- 時間軸で整理されたロードマップ
- 指定管理者としての視点まで言及
完全に「プロの仕事」なんですよね。
特に注目してほしいのが、
「Z世代の利用増は、単なる入場者数の増加に留まりません。彼らがSNSで発信することで、『活気のある街・施設』というイメージが全世代に波及し、結果として指定管理業務の評価(KPI)向上、および次期更新時の強力な武器となります」
この一文。
これ、指定管理者の本質を突いてますよね。
通常版は「Z世代を呼ぶ方法」を羅列しただけ。 本気版は「なぜZ世代を呼ぶべきか」という戦略的意義まで語っている。
この差は、応募書類や事業計画書では決定的です。
🔍どんなときに使うべきか?
このプロンプトが真価を発揮するのは、こんな場面です。
① 事業計画書の作成
指定管理者の応募で一番大事なのが、事業計画書ですよね。
- 地域の特性を踏まえた戦略
- データに基づく現状分析
- 実現可能性のある数値目標
- 他施設との差別化ポイント
こういう「複雑な背景」を丁寧に扱ってもらいたいとき、 このプロンプトを添えるだけで、AIの思考の深さが段違いになります。
② プレゼン資料の構成案
「この案件、絶対に取りたい」というプレゼンってありますよね。
そんなときこそ、このプロンプト。
- ストーリーの組み立て
- データの引用箇所
- 説得力のある論理展開
急いでないから、渾身の一撃が欲しい。 そんなときに使えます。
③ 業界ニュースの網羅的リサーチ
「今日の指定管理者業界で何が起きたか、全部知りたい」
こんなとき、普通にAIに聞くと、 有名どころのニュース2〜3件を拾ってくるだけです。
でも「品質優先で」と伝えると、 AIはWeb検索の回数を増やし、 より多くの情報源から情報を集めてきてくれます。
とはいえ、指定管理者業界の最新動向については、 当サイト「指定管理者制度AI」にお任せください!
私たちが日々、業界のニュースや事例を追いかけて、 皆さんに必要な情報を届けていますから。
④ 失敗できない謝罪メール
これ、意外と使えます。
謝罪文って、言葉のニュアンス一つで印象が変わりますよね。
このプロンプトを使うと、 AIが複数パターンを検討し、 最も適切な表現を選んでくれます。
🆚 AIのリサーチ機能との使い分け
「あれ? でも最近のAIには詳細なリサーチ機能があるよね?」
そう思った方、鋭いです。
たしかに、長い時間をかけて詳細なレポートを作成する リサーチ機能を持つAIは増えています。
でも、逆に「時間がかかりすぎる」んですよね。
大抵、数分から10分単位で待たされます。 出力されるレポートも長すぎて、 読むのもファクトチェックするのも一苦労。
「ただ詳しく調べて欲しいだけなのに、論文みたいなのをドンって渡されても困る」
そんなときは、この**「品質優先」プロンプト**で十分なんです。
| 使い分け | こんなとき |
|---|---|
| 「品質優先」プロンプト | 日常業務で質を上げたい・事業計画書の叩き台・30分〜1時間で結果が欲しい |
| AIのリサーチ機能 | 本格的な市場調査・論文レベルのレポート・数時間待てる |
日常の業務で「ちゃんとしたものが欲しい」レベルなら、 このプロンプトがベストバランスだと思います。
💡なぜ、こんなに変わるのか?
「でも、なんでたった一言でこんなに変わるんですか?」
AIには「ユーザーを待たせないようにする」という癖がある、 と冒頭でお話ししましたよね。
これ、裏を返せば、 「早く回答すること」がAIの暗黙の目標になっているってことなんです。
でも、深く考える仕事において、 「早く答えよう」とする癖は足かせになります。
そこに、このプロンプトで、 「焦らなくていい、待つから本気を出していいよ」 と許可を与えてあげる。
すると、AIは、
- より深い分析を行う
- 複数の視点から検討する
- 具体的な数値や事例を盛り込む
- 構造的な整理をする
- 実装までの道筋を示す
こういう「本来できること」を、 遠慮なくやってくれるようになるんです。
📝辞書登録しておくと便利
私は「じ」の一文字で辞書登録しています。
じ → 時間をいくらかけても良いので、品質を優先して
こうしておけば、 「じ」って打つだけで、AIに本気を出してもらえます。
指定管理者の仕事って、 「ここぞ」というタイミングが年に何度かありますよね。
- 応募書類の作成
- 更新時のプレゼン
- 大型イベントの企画
そんなとき、サッとこのプロンプトを呼び出せるようにしておくと、 AIが頼れる相棒になってくれます。
🎯マスタークエスト|今すぐやってみよう
さて、「編集長ヤマザキが多用したプロンプト5選」、 ついに最終回を迎えました。
最後に、マスタークエストです。
「5つの最強プロンプト」をすべて辞書登録して、次に仕事をするときに、最低1回は使ってみてください。
特に今回の「品質優先」プロンプトは、 指定管理者の皆さんにとって、 一番使える場面が多いと思います。
事業計画書の作成。 利用者アンケートの分析。 地域課題の整理。
「ここはちゃんと考えたい」というとき、 ぜひこの一言を添えてみてください。
AIの本気、体感できるはずです。
🧩3行まとめ
- 時間をいくらかけても良いので、品質を優先してと伝えるだけで、AIの出力が"プロの仕事"に変わる
- 事業計画書や応募書類など、絶対に外せない仕事で威力を発揮
- リサーチ機能ほど時間をかけず、でも渾身の一撃が欲しいときに最適
AIって、許可を与えるだけで、 こんなに本気を出してくれるんです。
私たちが「急いでないから、ちゃんと考えて」と言えば、 AIは「わかりました、じゃあ本気出しますね」って応えてくれる。
なんだか、人間同士の関係に似ていませんか?
急がせなければ、相手は本気を出してくれる。
そんな当たり前のことを、AIが教えてくれた気がします。
さあ、あなたも次の「ここぞ」という仕事で、 このプロンプトを試してみてください。
きっと、AIの新しい顔が見えるはずです。


指定管理者制度に携わる皆様の業務効率化と採択率向上をサポートする記事をお届けしています。
ヤマザキは2004年から大学で指定管理者制度を研究し、
2010年からの10年間は、指定管理/PFI/PPPのコンペや運営現場の最前線に立ち続けてきました。
その後はスタートアップとの協業や出資、ハッカソンも数多く主催。「現場」と「未来」双方の知見を活かした情報発信を行っています。
その経験をもとにした本サービス「指定管理者制度AI」では、実際にAIを活用した提案書・企画書作成サービスを展開。 豊富な採択事例データベースと高度な自然言語処理技術により、要点整理から文書構成の最適化まで包括的にサポートします。
自治体要件の読み取り、競合分析、予算計画の策定など、指定管理者応募に必要な業務を効率化し、 質の高い提案資料を短時間で作成できる専門AIツールを提供しています。