
【指定管理者・PFI事業者向け】プロンプトとは?AIへの上手な頼み方を「仕事の依頼」で理解する超入門
プロンプトとは何か?を指定管理者・PFI事業者向けにゼロから解説。正体は「AIへの依頼メモ」であり、呪文や特別な記法は不要です。新人への仕事の頼み方と同じ「依頼の4点セット(ゴール・背景・お願い・仕上がり)」と、現場でそのまま使える事業計画書・自主事業提案のプロンプト実例を紹介。一発で完璧を求めず対話で磨くコツや、AIに逆質問させる必殺技まで、AI不慣れな担当者・管理職の方でもすぐ実践できます。
公開日2026/09/03
目次
指定管理者制度AI編集長のヤマザキです。
「プロンプト」という言葉、 正直、ちょっと身構えませんか。
隣の席の若手が、 呪文のような長い文章をAIに打ち込んでいる。
ネットで調べれば 「プロンプトエンジニアリング」「命令文の書き方10選」—— 専門用語のオンパレード。
「自分には無理かもしれない」 そっとブラウザを閉じた経験、ないでしょうか。
安心してください。
プロンプトの正体は、 あなたが毎日やっている仕事の依頼そのものです。
部下に仕事を頼む。 協力会社に見積もりを依頼する。 それができる人なら、プロンプトはもう書けます。
この記事でわかること
- プロンプトとは何か。なぜ「頼み方」で結果が変わるのか
- 覚えるのはこれだけ。「依頼の4点セット」(ゴール・背景・お願い・仕上がり)
- 指定管理・PFIの現場でそのまま使えるプロンプト実例
- 一発で完璧を求めない。「対話」でAIの力を引き出すコツ
プロンプトとは「AIへの依頼メモ」である
結論から言います。
プロンプトとは、AIに何をしてほしいかを伝える依頼文のこと。 それ以上でも以下でもありません。
チャット画面に打ち込む言葉、あれが全部プロンプトです。
そして大事な原則がひとつ。
依頼の質は、成果物の質を大きく左右する。
これ、人間相手でも同じですよね。
新人に「いい感じに資料つくっといて」と頼めば、 いい感じじゃない資料が返ってくる。
「来週の〇〇市とのモニタリング面談用に、 利用者数の推移がひと目でわかるA4一枚の資料を」と頼めば、 使える資料が返ってくる。
AIもまったく同じです。
逆に言えば、 初心者のうちは、特別な記法や呪文を覚える必要はありません。
前回の記事でお伝えしたとおり、 いまの生成AIは人間の言葉(自然言語)を扱うのが得意分野。
普段の日本語で、率直に頼む。 これがプロンプトの第一歩です。
体育館の指定管理って、そもそもどんな仕事?初心者向けに説明して
文化センターの自主事業のアイデアを10個ちょうだい
この公募要項の要点を、箇条書きで整理して
まずはこのレベルで十分。 話し言葉で構いません。
覚えるのはこれだけ。「依頼の4点セット」
とはいえ、 「率直に頼んだのに、微妙な答えしか返ってこない」 という経験もあるはずです。
よくある原因のひとつが、 依頼に必要な情報が足りていないこと。
そこで覚えていただきたいのが、 指定管理者制度AIが推奨する依頼の4点セットです。
- ゴール——何のために使うのか
- 背景——あなたの状況・前提
- お願い——具体的に何をしてほしいか
- 仕上がり——どんな形で出してほしいか
新人や外注先への依頼と、まったく同じ構造です。 ひとつずつ見ていきましょう。
① ゴール:何のために使うのか
その成果物を、どこで、何のために使うのか。
同じ「施設の紹介文」でも、 公募提案書に載せるのか、利用者向けチラシに載せるのかで、 正解はまるで違います。
ゴールを伝えると、AIは「用途に合った答え」を選べるようになります。
来月の〇〇市の指定管理公募に応募するための事業計画書に使いたい
② 背景:あなたの状況・前提
あなたの会社のこと、施設のこと、地域のこと。 その依頼に至った事情。
前回の記事で「AIの出力の質は、渡す文脈の質で決まる」 とお伝えしました。 その文脈を渡すのが、この背景パートです。
当社はスポーツ施設の運営を15年やっている会社。 今回の対象は人口8万人の市にある総合体育館で、 高齢者利用が多い一方、若年層の利用が伸び悩んでいる。
判断に必要な背景を具体的に渡すほど、 返ってくる答えは「どこかで見た一般論」から 「うちの施設の話」に変わります。
なんでもかんでも書き込む必要はありません。 その依頼の判断に効く情報を選んで渡すのがコツです。
③ お願い:具体的に何をしてほしいか
依頼の核心部分です。 ここが曖昧だと、答えも曖昧になります。
✕ 「集客について教えて」 ◯ 「平日昼間の若年層利用を増やす自主事業案を出して」
✕ 「提案書をよくして」 ◯ 「この段落を、審査員に伝わりやすい構成に直して」
ふわっとした問いには、ふわっとした答え。 知りたいことを、絞って言葉にしましょう。
④ 仕上がり:どんな形で出してほしいか
分量、形式、文体、トーン。 成果物の「納品仕様」です。
・A4一枚に収まる分量で ・箇条書き中心、専門用語は避けて ・自治体職員に説明する場面を想定した丁寧な文体で
ここを指定するだけで、 「出てきたけど、結局自分で全部書き直した」が激減します。
4点セットを全部使った実例
【ゴール】 〇〇市の総合体育館の指定管理公募に応募する。 その事業計画書に載せる自主事業の案を練りたい。
【背景】 当社はスポーツ施設運営15年の会社。 対象施設は人口8万人の市の総合体育館。 高齢者の健康教室は好調だが、20〜30代の利用が少ない。 市の総合計画では「若者の居場所づくり」が重点施策になっている。
【お願い】 20〜30代の利用を増やす自主事業のアイデアを5つ提案して。 それぞれ、市の重点施策とどうつながるかも添えて。
【仕上がり】 アイデアごとに「事業名・概要・狙い」の3項目で、 表形式に整理して。
このプロンプトは、コピーして 【】の中身をあなたの案件に書き換えるだけで使えます。
ただし、大事な注意がふたつ。
ひとつめ。 4点セットは「毎回全部埋める義務」ではありません。
簡単な調べものならお願いだけで十分。 込み入った依頼ほど、背景と仕上がりを厚くする。
依頼の重さに合わせて使い分ける—— これも、人間への仕事の頼み方と同じです。
ふたつめ。 良いプロンプトを書いても、AIの回答が必ず正しいとは限りません。
たとえばAIが 「〇〇市の総合計画では若者支援が重点施策です」 と答えても、本当にそう書かれているかは別問題です。
条例、公募要項、仕様書、制度、数字—— 業務の成否に関わる情報は、必ず原資料で確認する。
プロンプトの腕前と、事実の確認。 このふたつは別のスキルとして、両方持っておきましょう。
一発で完璧を求めない。「対話」こそAIの本領
ここまで「具体的に伝えよう」と言っておいて、 矛盾するようですが——
最初のプロンプトは、雑でも構いません。
なぜなら、チャット型のAIは 一問一答の検索エンジンではなく、 対話しながら答えを磨いていく道具だからです。
一発目の答えがイマイチでも、そこで評価を下して閉じない。
「もっと市の施策に寄せて」 「3案目だけ深掘りして」 「文体が硬い、やわらかく」
と、続けて注文をつけていく。
前回の記事を読んでくださった方は思い出してください。 壁打ちは"教育"ではなく"条件の絞り込み"でしたね。
具体的なフィードバックを重ねることで、 AIはあなたの求める条件をつかみやすくなり、 答えを改善していけます。
遠慮はいりません。 AIに思考疲れという概念はありません。 (人間のように「何度も直させて悪いな」と気を遣う必要はない、という意味です)
納得できるまで、具体的な注文を返しましょう。
ひとつだけ実践Tipを。 会話が長くなりすぎると、 序盤の指示と終盤の指示が混ざって AIが条件を取り違えることがあります。
そんなときは粘らずに、 新しいチャットを開いて、整理した依頼で仕切り直す。 これだけで、あっさり解決することが多いです。
困ったときの必殺技:AIに逆質問させる
「そもそも何をどう伝えればいいかわからない」
そんなときは、その悩みごとAIに渡してしまいましょう。
〇〇市の図書館の指定管理公募に向けて事業計画書の骨子を作りたい。 いきなり作り始める前に、私から先に伝えておくべき情報があれば、 逆に質問して。
こう頼むと、AIのほうから 「施設の規模は?」「現在の指定管理者は?」「市の重点施策は?」 と、必要そうな情報を質問してくれます。
あなたは質問に答えていくだけ。 気づけば、4点セットが自然に揃っています。
依頼の設計すらAIに手伝わせる—— これができれば、もう初心者卒業です。
まとめ
- プロンプトとは「AIへの依頼メモ」。呪文でも専門技術でもない
- 依頼の質は成果物の質を大きく左右する。人間相手の仕事と同じ
- 迷ったら「依頼の4点セット」:ゴール・背景・お願い・仕上がり
- ただし毎回全部埋める必要はなし。そして重要事項は必ず原資料で確認
- 一発で完璧を求めず、対話で磨く。長引いたら新しいチャットで仕切り直し。困ったらAIに逆質問
プロンプトの上達に、才能はいりません。 必要なのは、あなたが何十年も磨いてきた仕事の頼み方だけ。
つまりあなたは、思っているよりずっと、 プロンプトが上手いのです。
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ヤマザキは2004年から大学で指定管理者制度を研究し、
2010年からの10年間は、指定管理/PFI/PPPのコンペや運営現場の最前線に立ち続けてきました。
その後はスタートアップとの協業や出資、ハッカソンも数多く主催。「現場」と「未来」双方の知見を活かした情報発信を行っています。
その経験をもとにした本サービス「指定管理者制度AI」では、実際にAIを活用した提案書・企画書作成サービスを展開。 豊富な採択事例データベースと高度な自然言語処理技術により、要点整理から文書構成の最適化まで包括的にサポートします。
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