
体育館の"空き時間"が行列に変わる——ARスポーツHADOという自主事業の新戦力
指定管理施設の低稼働時間帯を、集客力ある自主事業に変えるARスポーツ「HADO」。都城市で満足度96.5%、宇部市で4年連続即満席の実績を持つ日本発テクノスポーツの導入形態・費用・PFI事業計画書やAI活用時代の提案での活かし方を解説します。
公開日2026/08/02
更新日2026/07/29
目次
指定管理者・PFI事業者のみなさん、こんにちは。指定管理者制度AI編集長のヤマザキです。 平日の午後2時、体育館のアリーナ。照明を半分落としたコートに、ボールの音は聞こえません。 月次報告書の稼働率の欄を眺めて、「この時間帯、どうにかならないか」とため息をついた経験、ありませんか。 自主事業を打とうにも、ヨガ教室も健康体操も近隣施設と横並び。 イベントを企画すれば準備に追われ、終われば元通り。
「新しい目玉がほしい。でも、ウチの施設で本当に人が集まるのか」
——その迷いこそ、多くの現場が共有している本音だと思います。 回のサポート企業ファイルでご紹介するのは、その「空き時間」と「目玉不足」を一気に解決しうる選択肢。 世界40ヵ国近くに広がる日本発のARスポーツ「HADO(ハドー)」を展開する、株式会社meleapです。
この記事でわかること
- ARスポーツ「HADO」とは何か、なぜ指定管理施設と相性がいいのか
- 自治体・公共施設での導入事例と、集客・満足度の実データ
- 指定管理の現場で使える3つの導入形態と自主事業メニュー例
- モニタリング評価・次期公募提案での「効かせ方」
- 導入の進め方と、交付金等を活用したスキームの概要
結論:HADOは「稼働率・集客・評価」を一体で動かせる自主事業コンテンツ
先に結論からお伝えします。
HADOが指定管理施設にとって魅力的なのは、単に「新しくて話題性がある」からではありません。 指定管理者が日々向き合う3つの数字——低稼働時間帯の稼働率、自主事業の参加者数、利用者満足度——を、ひとつのコンテンツで同時に動かせる設計になっているからです。 理由は3つあります。
第一に、参加のハードルが極端に低いこと。 HADOは頭部のディスプレイと腕のセンサーを装着し、3対3で「エナジーボール」を撃ち合うARスポーツです。 年齢・性別・体格・運動経験に左右されにくく、子どもからシニア、車いすユーザーまで同じコートで対戦できます。 「運動が苦手な人ほど楽しめる」という特性は、公共施設が担う"誰も取り残さない"というミッションとそのまま重なります。
第二に、集客力が実データで示されていること。 詳しくは後述しますが、宮崎県都城市の体験イベントでは事前予約だけで300名超、参加者満足度96.5%。 山口県宇部市では4年連続開催で予約枠が毎回即時満席。 「本当に人が来るのか」という問いに、数字が先に答えています。
第三に、平時と有事の両方で施設価値を高められること。 HADOの体験スペースは大きな什器を必要としないため、非常時には物資拠点・一時避難スペースへの転用が容易です。 「日常のにぎわい」と「防災機能」の両立は、自治体側の評価軸に直接響くポイントです。
そもそもHADOとは——「テクノスポーツ」の現在地
株式会社meleapは「誰もが楽しく身体を動かし、心も体も健康になる社会」を掲げ、AR(拡張現実)技術を使ったスポーツ「HADO」を世界約40ヵ国に展開しています。 プレイヤーは自分の手からエナジーボールを放ち、シールドで防ぎ、チームで作戦を立てて勝敗を競います。 ポイントは、これが「ゲーム」ではなく「スポーツ」として設計されていることです。 80秒の試合中、プレイヤーは走り、しゃがみ、腕を振り続けます。 一方で勝敗を分けるのは運動能力だけではなく、ボールのスピードやシールドの強さといったパラメーターのカスタマイズ、そしてチームの戦術。
だからこそ「運動が得意な人が勝つとは限らない」試合が生まれ、体育が苦手な子も、シニアも、本気で勝ちにいけるのです。 教育現場ではすでに導入が進んでおり、2025年には静岡県立静岡西高校が日本の公立高校として初めて体育授業にHADOを常設導入。 小中学校の授業・部活動での活用や、教員コンテストでの最優秀賞事例も生まれています。
数字で見る集客力——都城市300名超、宇部市は4年連続「即満席」
指定管理の現場目線でいちばん気になるのは「で、実際どれくらい人が来るの?」でしょう。
公開されている自治体事例の数字を見てみます。
宮崎県都城市では、新市誕生20周年記念事業としてHADO体験イベントを開催。 事前予約だけで300名を超え、来場者アンケートでは満足度96.5%、「次回も参加したい」が95.8%を記録しました。 一度来た人がまた来たくなる——リピート率に悩む自主事業担当者にとって、この「再来訪意向」の高さは見逃せない数字です。
山口県宇部市では、市内最大級の地域行事「宇部まつり」と連動した「宇部HADOフェス」が2022年から4年連続で開催され、予約枠は毎回即時満席。 近年は県外から宿泊を伴う参加者も増えているといいます。 単発の話題づくりで終わらず、地域の恒例行事として定着している点が重要です。
奈良県宇陀市では、全国の自治体で初となるARスポーツ大会「UDA CUP」を開催し、大学生から中高生まで全国から100名超が参加。 日本遺産の寺社や食体験を組み合わせた周遊プログラムとセットにすることで、校外学習・教育旅行の誘致という観光文脈にもつなげています。 体育館の一角で始めた体験会が、大会になり、まつりの目玉になり、教育旅行の受け皿になる。 この「育てられる」拡張性こそ、単年度で消費されない自主事業の条件だとヤマザキは考えています。
シニアも子どもも同じコートで——大学研究が裏づける「多世代性」
「新しいデジタルスポーツ」と聞くと、若者向けコンテンツを想像しがちです。 しかしHADOの面白いところは、高齢者施策としての裏づけを持っている点です。
芝浦工業大学による2年間の研究プロジェクトでは、HADOの運動強度は通常の運動より低め(%HRmax 62〜63%)で、体力に自信のない方でも取り組みやすいことが示されました。 さらに継続参加した高齢者の筋力・歩行能力・柔軟性が統計的に有意に向上。 高齢者と学生の混合チーム形式では、週を追うごとに参加者同士の「知り合いの線」が増えていくというネットワーク分析の結果も報告されています。
つまりHADOは、子ども向けの目玉イベントにも、介護予防・健康増進事業にも、世代間交流プログラムにも使える。 ひとつの機材投資で複数の事業メニューを回せるということです。 平日午前はシニアのやさしい運動回、放課後は子ども教室、土曜は親子回と地域対抗戦——時間帯ごとにターゲットを変えて稼働を埋めていく絵が描けます。
指定管理の現場でどう使うか——3つの導入形態と自主事業メニュー例
設置形態は施設の事情に合わせて3パターンから選べます。
- 常設型:専用スペースを確保していつでも利用可能に。もっとも稼働率と収益性を追求できる形
- 半常設型(可動式):出し入れが容易で、多目的スペースや武道場との併用が可能。「まず週2日から」が現実的に
- 移設稼働型:コンパクトに収納して複数施設を巡回。複数館を束ねる指定管理者なら、1セットをグループ内で回す運用も
自主事業メニューとしては、定期教室(子どもHADOスクール、シニアやさしい運動回)、月例体験会、施設カップ戦(企業対抗・地域対抗)、教育旅行・部活動合宿の受け入れ、商業施設や空き区画とのタイアップイベントなどが考えられます。 福井市では企業対抗戦が2022年から毎年恒例となり、地元テレビで放映されるまでになっています。 そしてもうひとつ。
埼玉県和光市のPPP/PFI複合施設「わぴあ」では、中高生の"居場所"づくりとしてHADOが位置づけられ、毎週土曜の無料プログラムと夜間の一般向け体験を両立させています。 指定管理・PFIの施設運営そのものに組み込まれた先行例として、要注目です。
モニタリング評価と次期公募で「効く」理由
ここは指定管理者制度AIの読者のみなさんにこそお伝えしたいポイントです。 HADOのイベントは、参加者数・満足度・再来訪意向といった定量データが取りやすい構造になっています。 都城市の96.5%のような満足度データは、そのまま年度評価・モニタリングの実績数値になります。
さらに「防災転用可能な空間設計」「高齢者の健康増進エビデンス」「不登校支援・教育連携の事例」は、自治体の総合計画や個別計画のキーワードと接続しやすい素材です。 次期公募の事業計画書で「新規性のある自主事業」を書くとき、実績データと行政課題への接続を両方備えたコンテンツは、それほど多くありません。 AIで文書の質を底上げできる時代だからこそ、差がつくのは「何を提案するか」の中身です。
気になる費用と、自治体負担を抑えるスキーム
導入費用の目安は、1コート・5年間で総額500万円程度(初期費用200万円+ライセンス等ランニング300万円。内装工事・運営委託費は別途)とされています。 さらにmeleapが加盟する一般社団法人公民連携推進機構(内閣府・経済産業省と連携し420以上の自治体とネットワークを持つ組織)を通じて、地方創生推進交付金や企業版ふるさと納税を組み合わせ、自治体の財政負担を原則ゼロとするスキームも用意されています。
指定管理者としては、
①自主事業として自前導入する道 ②設置者(自治体)に交付金スキームでの導入を提案し、運営側として企画を担う道
の2通りがあり得ます。
後者は、行政への提案力を示す絶好の機会にもなるはずです。 ※費用・スキームの詳細は時期や条件により変わる可能性があります。最新情報は記事末の問い合わせ先にご確認ください。
まとめ——「ガランとした午後2時」を、施設のいちばんの見せ場に
最後に、今日のポイントを整理します。
- HADOは年齢・体力差を問わない設計で、公共施設の「誰も取り残さない」ミッションと合致する
- 都城市(予約300名超・満足度96.5%)、宇部市(4年連続即満席)など、集客力は実データで確認できる
- 常設・半常設・移設の3形態で、施設事情に合わせた導入が可能。教室・大会・教育旅行受け入れなど事業メニューの拡張性が高い
- 満足度・参加者数のデータが取りやすく、モニタリング評価や次期公募提案の武器になる
- 公民連携推進機構との連携により、交付金等を活用した自治体負担ゼロのスキームも選択肢に
新しいコンテンツを入れることは、ゴールではありません。 大事なのは、それを地域との関係の中で育てていくこと。 体験会に来た子どもが大会に出て、その保護者が平日の教室に通い、シニアの常連さんが学生に教わりながら笑っている。 そんな風景をつくれるかどうかは、結局、現場のみなさんの企画力と熱量にかかっています。
ガランとした午後2時の施設空間は、伸びしろのかたまりです。 その空白を、地域の人たちがいちばん集まる時間に変えていきましょう。
株式会社meleap 日本発のARスポーツ「HADO」を世界約40ヵ国に展開。 自治体・公共施設向けには、体験イベント・大会運営・教育プログラム・常設導入までワンストップで支援。
参考リンク

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ヤマザキは2004年から大学で指定管理者制度を研究し、
2010年からの10年間は、指定管理/PFI/PPPのコンペや運営現場の最前線に立ち続けてきました。
その後はスタートアップとの協業や出資、ハッカソンも数多く主催。「現場」と「未来」双方の知見を活かした情報発信を行っています。
その経験をもとにした本サービス「指定管理者制度AI」では、実際にAIを活用した提案書・企画書作成サービスを展開。 豊富な採択事例データベースと高度な自然言語処理技術により、要点整理から文書構成の最適化まで包括的にサポートします。
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