指定管理AI
【保存版】評価される事業計画書とは? 極意その5 「“ストーリー性”で差をつけろ」

【保存版】評価される事業計画書とは? 極意その5 「“ストーリー性”で差をつけろ」

「勝てる指定管理者計画書」に共通する要素――それは“ストーリー性”。AI時代だからこそ問われる、あなた自身の「想い」と「文脈」。誰のために、なぜ実現するのか。感情に届く構成で、審査員の心を動かそう。共感・納得・記憶に残る提案書のつくり方。

公開日2025/07/15

更新日2025/07/24

目次

結論:ストーリーのない計画書に、感情は動かない
なぜ、今“ストーリー性”なのか?
ストーリー構成の基本は、誰もが知っている“型”から
ストーリー性を組み立てる3ステップ
その①:導入で「共感」と「現状認識」を作る
その②:「私たちだからできる理由」を示す
その③:未来の風景を描く(ビフォー→アフター)
AIとストーリー性は“共存”できる
まとめ:指定管理提案は、“書類”ではなく“物語”

結論:ストーリーのない計画書に、感情は動かない

「勝てる指定管理者計画書」に共通する要素。それは、“ストーリー性”です。単に要件を網羅するだけでは、読み手の心を動かすことはできません。

ストーリー性とは、「なぜこの事業なのか」「誰のためにやるのか」「どうやって実現するのか」という【目的→手法→効果】の流れが、論理と感情の両面から自然に伝わる構成のこと。

これは実は、AI時代だからこそ、いっそう重要になってきています。


なぜ、今“ストーリー性”なのか?

理由は3つあります:

  1. AIでは書けない「熱意」と「文脈」が伝わる
  2. 審査員が読みやすく、印象に残る
  3. 地域住民の共感や納得を得やすい

AIは構造化された文章や表現は得意ですが、「なぜ、あなたがこの事業をやるのか」といった熱量や、地域へのこだわり、住民の顔が浮かぶような描写にはまだ届きません。


ストーリー構成の基本は、誰もが知っている“型”から

ストーリー性といっても、特別なテクニックが必要なわけではありません。

たとえば、私たちが日常的に触れているアニメや漫画、映画にも必ず“型”があります:

  • 起承転結型:導入→展開→転換→結末という、昔ながらの安定構成(4コマ漫画型)
  • 序破急型:序→破→急と、テンポよく盛り上がる演劇的な構成
  • 演繹法/帰納法:一般論から個別論、またはその逆へと論理を展開する構成

こうした型を意識するだけで、提案書にリズムと読みやすさが生まれます。

さらに大事なのが、「パッと見でも伝わる構造」です。

タイトル、小見出し、太字、図表といった要素を効果的に配置しておくことで、“ざっと読むだけでも全体像がつかめる”構成になります。

これは、いわば“スキャン読み”への配慮です。

※スキャン読み:読み手が全文をじっくり読むのではなく、タイトル・太字・図表などの目立つ部分だけを追って全体を把握する読み方。ビジネス文書では特に一般的です。


ストーリー性を組み立てる3ステップ

その①:導入で「共感」と「現状認識」を作る

「この地域では、こんな困りごとがあります」 「この施設の可能性は、まだ活かされていません」 といった、住民目線・現場目線での問題提起が大切です。

その②:「私たちだからできる理由」を示す

他団体ではなく、自分たちがやる理由。それはノウハウでも実績でもなく、「覚悟」や「想い」で語られることが多いです。

AIがどんなに賢くなっても、「この町で育った私たちだから」「この公園に家族で毎週通ってきたから」といった言葉には、かないません。

その③:未来の風景を描く(ビフォー→アフター)

「もしこの事業が実現したら、町はどう変わるのか?」 「来年の夏、この公園で子どもたちが笑っている様子」 まで描き切れると、読み手の想像力が動き、印象に残ります。


AIとストーリー性は“共存”できる

誤解されがちですが、ストーリー性は「人間しか書けない領域」と切り分けるものではありません。 むしろ、AIの力を借りながら、人間が“心”の部分を補うのが最適解です。

たとえば:

  • ChatGPTでストーリーの型を生成してもらう
  • 書いた草案に対し、「読み手の心に響くか?」をAIにチェックさせる
  • 図表やタイムラインなどの構成はAIに任せる

こうした“分業”が、これからの指定管理者提案書の主流になっていくでしょう。


まとめ:指定管理提案は、“書類”ではなく“物語”

自治体職員も、審査委員も、私たちと同じ一人の人間です。 書類に魂がこもっているか、表面的な羅列にとどまっているか、 “行間”から読み取ってしまうものです。

だからこそ、今こそストーリーを。今こそ、熱意を。

AIが整え、人が語る。

それが、これからの“勝てる”指定管理者計画書の、新スタンダードです。

本日は以上となります。 ヤマザキでした!!

ヤマザキ君
指定管理者制度AI 編集長:ヤマザキ
提案書作成のコツから採択事例の分析、効率的な資料作成方法まで、実践的な情報を発信中。
指定管理者制度に携わる皆様の業務効率化と採択率向上をサポートする記事をお届けしています。

ヤマザキは2004年から大学で指定管理者制度を研究し、
2010年からの10年間は、指定管理/PFI/PPPのコンペや運営現場の最前線に立ち続けてきました。
その後はスタートアップとの協業や出資、ハッカソンも数多く主催。「現場」と「未来」双方の知見を活かした情報発信を行っています。

その経験をもとにした本サービス「指定管理者制度AI」では、実際にAIを活用した提案書・企画書作成サービスを展開。 豊富な採択事例データベースと高度な自然言語処理技術により、要点整理から文書構成の最適化まで包括的にサポートします。
自治体要件の読み取り、競合分析、予算計画の策定など、指定管理者応募に必要な業務を効率化し、 質の高い提案資料を短時間で作成できる専門AIツールを提供しています。